beacon

阪南大J内定者会見、仙台内定MF工藤のイメージは”鈴木啓太”秋田内定DF高田は“常人離れ”

このエントリーをはてなブックマークに追加

左からMF工藤蒼生、DF高田椋汰、朴成基監督

 22日、阪南大からブラウブリッツ秋田に加入するDF高田椋汰(4年=日章学園高)とベガルタ仙台に加入するMF工藤蒼生(4年=仙台ユース)の合同内定記者会見が、大阪府松原市の同校で行なわれた。

 工藤が「ベガルタは小学4年生から、9年間お世話になったチームで、プロになれるのはとても嬉しい。恩返しと言いますか、しっかりプレーしてJ1昇格に貢献できるよう頑張りたい」と話せば、高田も「1年目から試合に出ないと自分の価値は生み出せない。キャンプから、しっかり自分の持ち味をアピールして、試合に出るのが目標」と意気込んだ。

 会見には朴成基監督のほか、仙台の平瀬智行スカウト、秋田のクラブコミュニケーターを務める前山恭平氏、阪南大前監督の須佐徹太郎氏がリモートで出席した。

 工藤は入学してすぐレギュラーを張ったが、1年目の前期に前十字靭帯を損傷。3年生で復帰したが、4年生で再び怪我をし、なかなかアピールの機会を得られなかった。朴監督が評価するのは、そうした苦しい時期でも努力を絶やさず、チームを支え続けたメンタリティー。「ずっと我慢の連続でしたが、我慢している最中も精神的に全くブレない。プレー自体も、チームが苦しい時も決して慌てることがない。いつも苦しい時に工藤が助けてくれた印象がある」。

「キャプテンシー、献身性、ボール奪取が非常に魅力的な選手であるのは、彼がうちのアカデミーにいる時から分かっていました」。そう評するのは平瀬スカウトだ。12月上旬に行なわれたインカレでのプレーをチェックし、「水を運んでくれるプレイヤーになれるんじゃないかと思った。パッと思い浮かんだのは鈴木啓太選手(元浦和レッズ)だった」(平瀬)と高く評価し、獲得を決めたという。

 来季からは、ユース時代にチームメイトだったFW菅原龍之助産業能率大から加入し、再びチームメイトになる。ジュニア時代に1つ上だったMF郷家友太も、ヴィッセル神戸から加入する。「プロで再会して、一緒に試合ができるのはとても嬉しい」と笑みを浮かべた工藤は、「中盤の選手には練習参加した時にも、とても素晴らしい選手がたくさんいた。(試合に出るために、)自分の特徴であるボールの強奪や相手の攻撃を遅らせるプレーができれば」と続けた。

 高田は高1の冬に行なわれた九州新人大会で、「雨なのにやたら元気が良い子がいた。背がそんなに高くないのに、ヘディングがやたら強くてよく飛ぶ。CBをやっていて、カバーリングも良かった」と須佐前監督の目に留まり、すぐさま声をかけた選手だ。朴監督が「すぐ足が吊るけど、エビデンスを無視して走れる。ちょっとよく分からない身体の持ち主」と評する常人離れした運動量を活かした攻撃参加も魅力と言える。

 前山氏が評価するのは人間性で、こう話す。「チームを鼓舞する声掛けを練習中でも凄くやってくれる。試合に出た際も、他の選手に気を遣うことなく、高田選手らしいプレーをしてくれた。秋田に来た時も、すぐ馴染んでいた。人間関係を作るのが、上手な選手だなと感じた。入ってすぐなのに、何年もいるような雰囲気を感じました」。

 シーズン前のキャンプに参加し、攻撃参加はプロでも通用する手応えを感じる一方、最後のクォリティーに課題を感じた。以降は自主練でクロスの練習を繰り返し、より相手にとって怖い選手に成長しつつある。秋田の吉田謙監督からは「自信を持ってプレーすれば、お前は絶対にやれる」と声をかけられるなど評価は高く、大卒1年目から即戦力として計算されている。「来季は、また変わった自分を吉田監督に見せられるように頑張りたい」(高田)。

 共にJリーガーになって満足するのではなく、1年目から活躍したいという想いは強い。高田が口にした「蒼生とはピッチで再会したい」との想いは、ルーキーイヤーから実現する可能性は十分ありそうだ。

(取材・文 森田将義)

●第100回関西学生L特集
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2022シーズンJリーグ特集ページ
●DAZNならJ1、J2、J3全試合をライブ配信!!

TOP