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乱打戦の口火を切った札幌MF荒野拓馬「うちのいいところ、強いところは…」

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今季2ゴール目を右足で挙げた札幌MF荒野拓馬

[6.3 J1第16節 柏 4-5 札幌 三協F柏]

 9ゴールが生まれた一戦で、口火を切ったのは北海道コンサドーレ札幌のMF荒野拓馬だった。開始10分、自陣からパスをつないで左サイドから仕掛ける札幌は、柏守備陣に何度も対応されながらも、ボールをひろって押し込んでいく。最後は、MF駒井善成が落としたボールを、背番号27が豪快に振り抜いた。

「ちょっと体が開いてたんすけど、ひねってニアっていう意識で。ちょっとダフってはいたんですけど、いい感じにボールが枠に飛んだ」。柏はゴール前に人数がそろっていたが、荒野は一瞬空いたシュートコースを見逃さなかった。

「私が札幌を率いてからベストに数えられる前半だった」とペトロヴィッチ監督が絶賛するほど、最初の45分は札幌が圧倒して3ゴールを奪ったが、隙を突かれて2失点を献上してしまう。後半に入っても、柏に少ないチャンスをものにされ、リードをしては追いつかれという展開を繰り返す中、後半アディショナルタイムにまたしても同点弾を許し、4-4となってしまう。

 それでも、札幌は勝利をあきらめなかった。「最後、4対4になったときも、サポーターの声援だったり、ベンチ含め、チームとしてもう1回引っくり繰り返すんだっていう気持ちがああいうふうに繋がったと思います」。後半アディショナルタイム3分に、DF田中駿汰が札幌の5点目を決めて、今度こそこれが決勝点となった。「うちのいいところ、強いところは、点を取られてもすぐ取り返したり、攻撃的でどんどん点を取りにいくところ」。荒野は、「失点を1点、2点とか、ゼロに抑えないといけない試合だった」と反省点を挙げながらも、勝利を喜んだ。

 柏戦で5ゴールを挙げて、16試合で37得点となった。これは王者・横浜FMの33得点をおさえてリーグトップ。その一方で、失点はリーグ3位の31失点とかさんでいるが、「失点が多いと言われる」ことは指揮官には織り込み済みだ。「攻撃に特化したチームとして戦っている。リスクを負って攻撃を仕掛ける中で、1点でも多く相手より取って勝つことを目指している」。ペトロヴィッチ監督の言葉を体現した1勝だった。

(取材・文 奥山典幸)
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