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覚悟の移籍後、初の古巣戦に臨んだ柏MF高嶺朋樹「自分の選んだ道でしっかり成功したい」

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昨年までのチームメイトと握手をかわす柏MF高嶺朋樹

[6.3 J1第16節 柏 4-5 札幌 三協F柏]

 柏レイソルに移籍後、初の古巣戦に臨んだMF高嶺朋樹。試合の結果は、壮絶な点の取り合いの末に、4-5で北海道コンサドーレ札幌に競り負け、チームは今季2度目の2連敗を喫した。

「相手がほぼ4-1-5の形で、自分たちのスライドするよりも早くサイドチェンジしてくる展開が多かったので、前半はすごく苦しめられた」(高嶺)。それでも、先制点を許した5分後には、高嶺がゴール前に斜めにクロスを送る。札幌の2選手が頭でクリアを試みるも、MF戸嶋祥郎までボールは通る。落ちてくるボールを戸嶋の左足がとらえて柏が1-1の同点に追いつく。

 1-1、3-3、4-4と、柏は3度同点としたが、後半アディショナルタイムに札幌に突き放された。「勝ちたかったですね」。試合後に高嶺は吐露した。

 小学生年代から札幌の下部組織でプレーしていた高嶺は、高校卒業後に筑波大学へ進学。在学中の2019年にルヴァンカップでJデビューをはたすと、2020年に札幌に入団した。1年目から30試合に出場、以来主力として活躍していた中で、昨シーズン終了後に柏へ完全移籍していた。

 下部組織も含めると通算12年にわたって所属していたクラブを離れるにあたり、「日本を代表するサッカー選手になるために」と不退転の覚悟を表していた高嶺。アウェーゴール裏を赤黒で染めた札幌サポーターからは、大きなブーイングが飛んだ。

 2020年に札幌へ入団した同期で、年齢も同い年のMF金子拓郎、DF田中駿汰も揃って先発し、ともにゴールを挙げる活躍を見せた。金子は「ターンする能力だったり、ボールを奪う能力っていうのは、抜けてる部分があると思う。朋樹とこういういい緊張のなかJ1で試合できるのは本当に嬉しいこと」と、かつてのチームメイトを評した。

 移籍するにあたり、高嶺はボランチでプレーすることへのこだわりも明かしていた。札幌では最終ラインでプレーすることもあったが、柏ではボランチとしてプレー。ネルシーニョ前監督時代は、一時ベンチにまわったこともあったが、井原正巳新監督になってからは主力を担っている。

「ボランチの選手としてプレーできているイメージはあります。コンサの今日の形だと、中村(桐耶)がやっていたポジションになっていたと思うので。自分の選んだ道でしっかり成功したいと思います」

 柏は17位と苦しい戦いを強いられているが、25歳のMFは力強く前を向いた。

(取材・文 奥山典幸)
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