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長岡JYFC、帝京長岡の躍進、名手育成に携わってきた西田勝彦コーチが長野県白馬村のアラグランデFCで新たなスタート

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3月、帝京長岡高の選手にアドバイスを送る西田勝彦コーチ

 01年4月の設立から長岡JYFC(新潟)で22年間代表を務め、コーチとして系列の帝京長岡高(新潟)の躍進にも携わってきた西田勝彦コーチが、長岡JYFCの指導者派遣事業により、4月からアラグランデFC(長野県白馬村)で新たなスタートを切る。

 西田コーチは帝京高(東京)DFとして1991年度の全国高校選手権優勝し、東海大などでもプレー。帝京の同期である帝京長岡・谷口哲朗氏(現総監督)らと協力し、U-6(園児)、U-12(小学生)、U-15(中学生)のカテゴリーを持つ長岡JYFC、帝京長岡でMF小塚和季(現川崎F)やMF谷内田哲平(現京都)、MF廣井蘭人(筑波大新1年)ら数々の名手を育ててきた。

 帝京長岡では、「サッカーを楽しむこと」をベースに、キッズから高校まで一貫した指導。積雪量の多い地域でフットサルを活用するなど、育成年代のプレー環境の整備にも尽力してきた。JリーグやFリーグでプロ入りする選手、サッカーの年代別日本代表、日本高校選抜、そしてフットサル日本代表に選出される選手が増加。また、帝京長岡が19、20年度に2年連続で全国高校選手権3位に食い込んだほか、長岡JYFC U-15の北信越制覇や全国大会出場、全日本U-15フットサル選手権大会3連覇などチームとしても大舞台で活躍できる集団へ成長した。更なる飛躍へ向けて各カテゴリーがサッカーを楽しみながらトレーニング。その中で、西田コーチは次世代の指導者たちの可能性を広げるために、新たなチャレンジをすることを決めた。

 長岡JYFCでは設立当初から指導者派遣事業を実施。その一環として、西田コーチも帝京長岡で指導を行ってきた。今後、「長岡に戻って来る子たちのためにも、指導者派遣は大事」と西田コーチ。今回の指導者派遣が、将来指導者を目指す教え子たちの活躍の場を広げる新たなきっかけになるかもしれない。交流のあったアラグランデFCからの依頼を受け、まずは自分が長野に移住してサッカー、フットサルを楽しめる環境作りや選手・指導者の育成に取り組む考えだ。

 高校日本一、プレミアリーグ昇格を目指す帝京長岡の主力選手たちも西田コーチの指導を受けた選手が多数。新エースのFW堀颯汰(新3年)は、「西田さんの練習でトラップとかパスサッカー、技術的なところを教えてもらったので寂しいです」と残念がる。

 また、中盤で欠かせない存在になりつつあるMF橋本燦(新3年)は、「西田さんがこの帝京長岡の技術の部分を作ってきたと言っても良いくらい。悲しいですね。(新3年生の代は)1年の時に西田さんが担当で、技術のところは本当に西田さんから学ぶことが多かった。西田さんに結果という形で伝わるように1年間頑張りたい」と力を込めた。

 西田コーチの新たな活動を教え子たちも応援。4月1日には、ともに長岡JYFC、帝京長岡のOBで、フットサル日本代表として昨年のAFCフットサル選手権で優勝した石田健太郎(バルドラール浦安、FP)と長坂拓海(バルドラール浦安、FP)、そして同じく長岡JYFC、帝京長岡のOBである土岡優晟(ペスカドーラ町田、ゴレイロ)が長野県白馬村に駆けつけ、アラグランデFCの子どもたちと交流するという。女子の長岡joiasも参加し、フットサルやサッカーを行う予定だ。

 早速、新たな歩みを始めている西田コーチにとって、長野は三菱養和SC(東京)時代に選手として、第1回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会に出場した思い出の地。長岡の関係者たちへの感謝も口にする西田コーチは、「(長岡と)距離はちょっと離れるけれど、見守っていたい。(今後)新潟と長野が上手く繋がったら良いですね」。山崎太一新代表の長岡JYFCや帝京長岡を可能な限りサポートしながら、長野でサッカー・フットサルの更なる普及と選手・指導者の育成、その環境整備を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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