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小学生日本一の栄冠は鹿島アントラーズつくばジュニアの手に!! 苦しんで掴んだ初優勝、次なる目標は「全少」

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鹿島アントラーズつくばジュニアが初優勝

[5.5 JA全農杯決勝 高部JFC 0-2 鹿島つくばジュニア 日産ス]

 どちらが勝っても初優勝の一戦。柏レイソルU-12(千葉県/関東3)戦をPK戦の末(0-0/PK5-4)に勝ち上がった鹿島アントラーズつくばジュニア(茨城県/関東1)が、高部JFC(静岡県/東海2)との決勝戦を2-0で制し、初の栄冠を手にした。

 今大会6ゴール中の土井が、準決勝の無得点を晴らすべく“ゴールへの欲”を前面にむき出した。柏U-12戦でも、前線で存在感を放った土井は、高部JFC戦の第二ピリオドから登場。「自分がゴールを決めたかった」と振り返ったように、ピッチ左のハーフライン付近でボールを受けると、そこからドリブルでゴール前へ。MF尾崎史龍が機転を利かせて開けたスペースに持ち込むと、最後は右足を振り抜き、枠の左隅に突き刺した。

 いい時間帯での先制に成功した鹿島つくばジュニアだが、第三ピリオドは、予選からここまで14得点と抜群の攻撃力を誇る高部JFCアタッカー陣が、GKシュルツ建斗の守るゴールに襲い掛かる。それでも、シュルツは「常にリスクを考えていた」「2枚を残すように」と、ディフェンス陣と協力してゴールを死守。攻め込まれる苦しい時間帯を凌ぎ切ると、それに応えるように攻撃陣が奮起した。

 第三ピリオドが半分を過ぎた頃。左サイドでコーナーキックを得た鹿島つくばジュニアは、準決勝から長短のパスでチャンスメークをしていたMF酒寄航士朗が魅せる。「空芽に合わせて一発でゴールを決めてほしかった」と完璧なボールを蹴り込むと、狙い通りに。土井(空芽)が頭で叩いたボールが、ゴールへと吸い込まれていった。

 試合終盤での貴重な追加点でリードを広げた鹿島つくばジュニアは、高部JFCを今大会初のノーゴールに抑え、2度目のJA全農杯出場で初優勝。ただ、関東大会を1位で通過した“V候補”の優勝への道のりは一筋縄ではいかなかった。4日の決勝トーナメント1回戦では、ヴィッセル神戸U-12(兵庫県/関西1)に先制を許すと、準決勝の柏U-12戦では、スコアレスで迎えた試合終了間際に退場者を出すなど、苦しんで掴んだ栄冠。「これまで追い込まれることが少なかったチーム」なだけに「そこをよくひっくり返した」と、中野洋司監督は大会を通じての選手たちの成長を噛み締める。

 それは選手たち自身も実感。10番を背負うMF船越健聖は「(1回戦の)ヴィッセル戦で先に1点取られてしまったけど、くじけずにベンチからも声をかけて盛り上げて逆転ができた」と今大会のターニングポイントを語った。次なる目標は、指揮官も選手も口を揃えて「全少(JFA 全日本U-12サッカー選手権大会)」。日本一におごらず謙虚に“2冠”を目指す。





過去の優勝チーム
2003年 名古屋グランパスエイトU-12
2004年 新座片山FC少年団(埼玉)
2005年 高田FCジュニア(奈良)
2006年 名古屋グランパスエイトU-12
2007年 東京ヴェルディ1969ジュニア
2008年 柏イーグルスTOR'82
2009年 川崎フロンターレU-12
2010年 川崎フロンターレU-12
2011年 川崎フロンターレU-12
2012年 レジスタFC(埼玉)
2013年 ベガルタ仙台ジュニア
2014年 レジスタFC(埼玉)
2015年 柏レイソルU-12
2016年 大宮アルディージャジュニア
2017年 江南南サッカー少年団(埼玉)
2018年 レジスタFC(埼玉)
2019年 センアーノ神戸ジュニア
2020年 中止
2021年 オオタFC(岡山) ※新型コロナウイルスの影響により22年1月に開催

(取材・文 成田敏彬)

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