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全少、名古屋が日本一。将来が楽しみな2人のエース

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 第33回全日本少年サッカー大会の決勝戦が8日、東京・西が丘サッカー場で行われ、名古屋グランパスU12(愛知)が新座片山FC少年団(埼玉2)を2-0で下し、初優勝を果たした。

 名古屋は、出場3回目で初の優勝。昨年は決勝で敗れており、悲願を達成した。

 クラブ、森川監督の方針の下、週の平日3回の練習では、徹底的に攻撃中心の練習を組んでおり、この大会でも破壊力満点の攻撃が繰り広げられた。何より、この世代は名古屋においての“黄金世代”だという。

 「いまは(U12に)4年生からしか入れないんですが、昔は1年生から入れたんです。杉森や森は、小1から入って、練習してきた」とは森川監督。メンバーの大半が、Jのトップに通じる選手育成という理念の下で、小学校入学と同時に鍛え上げれた選手たちばかりだったのだ。そこに、森川監督の掲げる“攻撃は最大の防御”の指導方針が加味され、圧倒的な強さを見せ付けた。森川監督は「うちはゲーム中心の練習ばかり。攻撃の一環として守備がある。練習から、攻撃につながる動きを徹底してやっています。DFラインも実は、みんなFW出身の子ばかりなんです」と話す。

 中でも、飛びぬけているのが、FW杉森考起(小6)と、FW森晃太(小6)だ。森川監督は「うちの歴代の中でも5本の指に入る。将来が楽しみな子です」。特に杉森は4歳ごろから別のチームで活動していたが、自ら売り込み特例の“入団試験”を受けて加入。森も2つ上の兄が名古屋のU15と、遺伝的な才能も兼ね備えている。

 2人とも高い技術に裏打ちされたドリブル突破と、得点センスに優れる。杉森はアタッカータイプで、森はトップ下タイプ。2人のプレースタイル、そして指揮官が求める選手像は、背番号にも隠されているという。

 森川監督は、思いを託して背番号を与えるそうで、杉森に「7」、森に「10」を与えているが、「杉森はクリスティアーノ・ロナウドと、アレシャンドレ・パト、森はリオネル・メッシアレッサンドロ・デル・ピエロを足して2で割ったよな選手になってほしいんです」と明かす。

 本人たちも「バルセロナとか、いつも海外のビデオを見て研究しています。将来は海外でプレーしたい」と自覚は十分。森川監督は「素材としては、2人とも将来のグランパスを背負う選手。このまま順調に成長してほしいですね」と目を細めていた。

 2人をはじめ、グランパスイレブンの目標は、この日本一にとどまらない。幼少のころはエリート軍団でも、全員がJ、そして世界へ羽ばたけるわけではない。2人をはじめ、全国のサッカー少年たちが、今後も順調に成長し、日本サッカー界の宝になってほしいものだ。

(取材・文 近藤安弘)

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