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[MOM4018]大阪府DF西川宙希(1年、C大阪U-18)_勢いづける先制点演出、クラ選優勝に続く快挙目指す

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大阪府DF西川宙希(1年、C大阪U-18)

[10.3 国体少年男子2回戦 香川県 0-3 大阪府 益子町運動公園陸上競技場]

 2回戦からの登場となった大阪府は初戦の硬さもあり、立ち上がりこそ上手く行かない場面があったが、時間の経過とともに力を発揮。前半16分に生まれた先制点を皮切りに3点を奪い、勝利した。「みんなで掴んだ勝利。選手全員が頑張った」と坂元博晃監督が称えたようにピッチに立った選手全員がチームとしての仕事をこなしながら、キラリと個性を感じるプレーを披露した。その中でも印象的だったのは、左SBを務めたDF西川宙希(1年、C大阪U-18)の動きだった。

 持ち味は、豊富な運動量を活かしたサイドのアップダウン。左サイドにボールが入れば、見せ場と言わんばかりに楽しそうに高い位置まで攻め上がる。本職の守備も実力は確か。所属するC大阪U-18の島岡健太監督が、「西川はサイズがない分、しっかりボールの球際やボールを作る所にトライ出来ている」と評するように粘り強い対人守備が売りだ。

 この日、訪れた最初の見せ場は16分。後方から左サイドのスペースにボールが出ると、「ボールが前に入った時に行けるなという感覚があって、上がって行こうと思った」。受けてからは勢いよく左サイドの高い位置まで仕掛けて、ゴール前に速いボールを入れた。このパスは中の選手と合わなかったが、ファーサイドにいたFW山田光太郎(1年、C大阪U-18)が中に折り返し、最後はMF藤井龍也(1年、C大阪U-18)が押し込んだ。

「試合前にも初戦は絶対に難しいゲームになると自分たちでも話していた。その中でも落ち着いて楽しもうとみんなで言っていた。1点入った所からみんなが落ち着いて、良いテンションでプレーできたかなと思います」。そう振り返る通り、西川のきっかけで生まれた先制点はチームに勢いを与える大きな一撃だった。

 シンプルに前へとボールを繋いだ8月のミニ国体とは違い、この日はボランチを経由しながら、サイドを起点に攻める場面が多かったのも彼にとっては好都合で、先制点以降も積極的に攻め上がる。18分にはMF長田叶羽(1年、G大阪ユース)のスルーパスが、ゴール前に攻め残っていた西川の下に入り、ゴールを狙ったが枠の外。後半にも相手ゴール前まで上がって得点を狙うなど攻撃面でも魅力を発揮し続けた。「自チームでもゴールへの意識は本当に強くなっている。自分がどこのポジションにいても、点を決めるという想いは強く持っています」。

 チームへの貢献はプレー面だけに留まらない。チームのまとめ役としても機能している。チームが発足した当初は、高体連の選手とJのアカデミーの選手が分かれて行動することが多かったが、今は違う。「仲間に入れない子も輪に入れて、良い雰囲気でやりたいと思っている。雰囲気が悪かったら、チームが盛り上がらない。チームを良くするために声を出してきた。あまり声を出さない子には、しっかり声をかけてきました」。

 左腕にキャプテンマークをまとう男は、「得点が入って、みんなで喜べるのが楽しい。サッカーの喜びは、そういう所にあると思うので、チーム一丸となってやれるよう意識しています」とも続ける。所属するC大阪U-18では8月のクラブユース選手権(U-18)で日本一に輝き、得点以上の喜び、最大級の喜びをチームメイトと共に味わった。次なる目標は大阪府を初優勝に導き、最高の仲間たちと喜びを爆発させることだ。

(取材・文 森田将義)
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