beacon

[国体少年男子]国体で主役級のプレー見せた青森県CB山本虎、準優勝の悔しさ忘れずに努力することを誓う

このエントリーをはてなブックマークに追加

青森県の主将、DF山本虎(青森山田高、2年=青森山田中出身)は決勝でも光る動き。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.6 国体少年男子決勝 青森県 1-2 神奈川県 真岡市総合運動公園 陸上競技場]

「5連戦でみんなキツくて、『最後頑張ろう』『ゼロで行けば絶対に勝てる』という話をしていたんですけれども、2失点したというのは自分の責任だったと思う」

 青森県の主将、DF山本虎(青森山田高、2年=青森山田中出身)は今回の国体で特に印象的な動き。堅守・青森の中心としてチームを安定させ、攻守両面でエアバトルの強さを発揮した。そして、左右両足から観衆を唸らせるような好フィード。決勝でもヘディングで競り勝っていたほか、チームメートと「ゴールを隠す」守備を徹底して決定機をほとんど作らせなかった。

 だが、試合序盤にわずかな隙を突かれて失点。1-1に追いついたが、後半23分に相手のスーパーゴールで再びゴールを破られてしまう。「ラインが下がってしまって、あのシュートの場面もカバーのタイミングが遅くてそこで隠し切れなかった。トップレベルになると、ああいうのも決められてしまう。今日はあの2本だけだったと思うので、あの2本をしっかりと決められて本当に悔しかったです」。後輩の1年生15人を良くまとめ、背中でチームを決勝へ導いたが、悔しい準優勝となった。

「キャプテンとして1個下の代をまとめるのが自分の役割だと思っていたので、そういうのも最後までキャプテンとしてやり切れなかったのが、みんなに申し訳ないですし、後輩たちを勝たせてあげられなかったのは悔しいです」

 日本一目前で喫した忘れられない敗戦。だが、山本が今回の国体で主役級の活躍を見せたことも確かだ。中学時代から逸材の評価を受け、年代別日本代表候補に選出。高校進学後、十分な出場機会を掴むことはできていないが、国体でU-16世代トップクラスの力があることを印象付けた。

「やっぱり山田でやってきた分、守備の部分では教わっているところだと思うので、そういうところは凄く今成長しているんですけれども、ビルドアップの部分は小さな頃から自信を持ってきたところなので、そういうところを見せていきたい」

 チームに戻り、まずはレギュラー奪取に挑戦。「この悔しさを忘れないで帰って、本当に努力してプレミア(リーグ)や選手権で活躍できれば良いなと思います」。そして、次は青森山田の中心選手として日本一を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
●第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」特集

TOP