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[国体少年男子]北海道中から札幌U-18へ集まった選手たち中心に国体で躍進。10番MF庄内航汰は切磋琢磨し、中心選手へ

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北海道の10番MF庄内航汰(北海道コンサドーレ札幌U-18、1年)は大舞台で個の力を発揮した。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.6 国体少年男子3位決定戦 北海道 1-2 大阪府 真岡市総合運動公園 陸上競技場]

「結果ベスト4で、最後2試合負けて終わったんですけれども、たぶん最初北海道はあまり勝つと思われていなくて、その中でこれだけ戦い続けられて、最後まで残れたのは自信になったし、これからも頑張っていきたいなと思いました」

 北海道の10番MF庄内航汰(北海道コンサドーレ札幌U-18、1年)は大阪府に1-2で逆転負けした3位決定戦後、5試合を終えた感想を口にした。北海道は今回の国体で鹿児島県、京都府、新潟県を撃破し、27年ぶりの準決勝進出。青森県との準決勝をPK戦で落とし、3位決定戦でも惜敗に終わったが、それでも北海道は22年の国体でインパクトを残した。

 1、2回戦は勝つための戦いを徹底。だが準々決勝以降は、16人中14人を占める北海道コンサドーレ札幌U-18の選手たちが普段取り組んでいるポゼッション、ボールを保持しながら主導権を握る時間帯を増やした。

 京都戦は後半アディショナルタイムの決勝点で勝利し、新潟戦は逆転されながらも追いつき、PK戦の末に白星をもぎ取った。勝負強さも示して4強入り。3位決定戦の終盤は、札幌トップチームのようなオールコートマンツーマンで巻き返すなど、多様な戦い方で強豪に挑み、個人、チームで成長を果たした。

 DFを剥がすドリブル、スルーパスなどでテクニックを発揮した庄内にとっては、自信と課題を得る大会になったようだ。「やっぱり1対1で、ドリブルで仕掛けるところは自分の長所として伸ばしていきたいところで、やれた自信はあったのでそこはまた北海道帰って伸ばしていきたいです。あと、70分間の試合ではあったんですけれども、ハードワークというところでもっとチームのために走るというところはもっと鍛えていきたい」と語った。

 今回の北海道選抜は、北海道コンサドーレ札幌U-18に高体連の札幌大谷高の2選手を加えて躍進。中でも、北海道コンサドーレ札幌U-18の選手たちは改革の年で結果を残した。今年、同チームの1年生で北海道コンサドーレ札幌U-15から昇格したのは4人だけ(高校2,3年生は計20人)。北海道コンサドーレ旭川U-15、北海道コンサドーレ室蘭U-15、北海道コンサドーレ釧路U-15、また街クラブのスプレッド・イーグルFC函館、SSSジュニアユース、アンフィニMAKI.FC、幕別札内FCと「北海道中から集まった子たち」(森川拓巳監督、北海道コンサドーレ札幌U-18)によって構成されている。

 庄内は「他から集まってきた分、みんな寮生も多いので仲も良いし、レベル高くて切磋琢磨しながらやれていると思います」と語っていたが、その1年目に国体で27年ぶりに4強入りする快挙。準決勝、3位決定戦ではわずかなミスが敗戦に繋がることも学んだ。森川監督が「いろいろなものを出せたし、いろいろなものを経験できた」と語った国体からいろいろなものを持ち帰り、北海道の育成年代のレベルアップに繋げる。

 庄内は「ゲームメーク、チャンスメークできるような中心の選手になって、やっぱり中心になる選手になりたいですね。いち早くプロに。(チームとしては)来年のプリンスはちゃんとプレミアに昇格したい。そして、3年生ではプレミアでやれるように、この後から切磋琢磨して頑張っていきたい」。大きな経験をした選手たちが北海道で切磋琢磨し、個人、チームでの目標を達成する。 


(取材・文 吉田太郎)
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