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“国体ウォッチャー”森田氏が選ぶ「国体で印象に残る活躍、将来性示した11傑」

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森田氏が「是非入れたい」とリストに加えたMF立川遼翔(京都府、京都サンガF.C.U-18 1年)。(写真協力=高校サッカー年鑑)

 第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」少年男子の部は神奈川県が5年ぶり8回目の優勝を飾りました。U-16年代の都道府県選抜チーム24チームが熱戦を繰り広げた国体少年男子の部。例年と同じく各地の国体ブロック予選に足を運び、本大会でも全日程を取材をした“国体ウォッチャー”森田将義氏に、同大会で印象的なプレーを見せた11人を紹介してもらいます。

森田将義氏「3年ぶりの開催となった本国体は、AFC U17アジアカップ予選を戦っているU-16日本代表のメンバーが不在での開催となりました。ただ、各地域の国体を勝ち抜いたU-16年代の俊英ばかりとあって、どの試合でもキラリと感じさせるプレーを見せる選手が多くいました。代表経験を持つ選手はいずれも、アジア予選に行けなかった悔しさを晴らすようなプレーを披露。未経験選手の中にも日の丸を背負うだけのポテンシャルを感じさせた選手がいました。今回はそうした選手の中から今後、世代別代表のコアメンバーになって欲しいと思った選手をピックアップしました」

GK竹内琉真(北海道、北海道コンサドーレ札幌U-18 1年)
186cmの上背が目を惹く守護神で、シュートストップが持ち味。これまではゴールを守る意識が強く、ハイボールにアタックできなかったが、大会を通じて改善が進み、準決勝では安定感のあるプレーを披露した。準々決勝ではPKを止めるなど、大舞台での強さも魅力。

DF小沼蒼珠(青森県、青森山田高 1年)
高い身体能力と気迫を前面に押し出した守備対応で、相手を封じるDF。最終ラインならどこでもこなせる利便性も長所だ。チームを笑顔にする明るいキャラクターも売りで、「いつも楽しくなって、テンションが上がっちゃう。辛い時に頑張ってチームを引っ張っていく選手になりたい」と話す。

DF山本遥斗(福岡県、九州国際大付高 2年)
リバプールのファン・ダイクに憧れるCBは、187cmの高身長を活かした競り合いの強さが売り。「九国には小さくて速い選手がいるので、意識的にマッチアップして苦手を克服してきた」ことで、大型選手に多い身のこなしの重さも感じさせないのも強みだ。

DF山本虎(青森県、青森山田高 2年)
右利きながら中2の頃から自主練で磨いた左足キックの精度はピカイチ。最終ラインから左右両足で繰り出すロングフィードと競り合いの強さが光るCBだ。早生まれとして挑んだ今大会はリーダーシップと青森山田らしいゴール前での粘り強さでチームを支えた。

DF西川宙希(大阪府、セレッソ大阪U-18 1年)
持ち味は、攻撃性能。サイドでアップダウンを繰り返し、高い位置からの左足クロスで決定機を何度も作り続ける姿が今大会では印象的だった。C大阪仕込みの技術も光り、「U-18に上がってからは、相手がプレッシャーをかけてきても焦らなくなった」と自信を覗かせる。

MF立川遼翔(京都府、京都サンガF.C.U-18 1年)
本国体では未見だが、ミニ国体でのプレーが印象的だったため、是非とも入れたかった選手だ。足元の柔らかさと、「状況によってやりたいプレーは変わってくる」と話す判断力が持ち味の大型ボランチ。中盤の底から攻撃を組み立てながら、積極的に中央を仕掛けて行く。

MF高橋友矢(神奈川県、横浜FCユース 1年)
「面白いプレーというよりは、的確に相手のいない所を突いていくのが得意」。そう話すボランチはサイドチェンジを交えながら、ロスなく味方に繋ぎつつ、ショートパスを繋いで中央を崩す神奈川の生命線となった。「ガツンと行けば獲れる自信がある」という守備の強度も魅力。

MF揚石琉生(栃木県、栃木SC U-18 2年)
開催県の栃木で違いを見せつけたのは、小学生の頃から栃木SCの試合に通い「トチエスのプロに上がって、代表にも入りたい」と話すボランチだ。上手くスペースを使って前進するプレーが持ち味で、相手を弾き飛ばす力強さもある。FW起用となった今大会は得点力も見せた。

MF白須健斗(神奈川県、横浜F・マリノスユース 1年)
お手本にするのは、同じ小柄なドリブラーであるMF本間至恩。ボールの置き所と相手との距離の取り方が上手く、一度ボールを持ったら簡単には奪われない。スルスルという表現が良く合うドリブルに加えて、味方とのワンツーでも相手ゴール前に抜せる。

FW寺下翔和(神奈川県、湘南ベルマーレU-18 1年)
プレーを見れば、「ずっと立ち上げの時からエースで考えていた」と関泰宣監督が口にするのも頷ける。気持ちとフィジカルが強く、目の前にボールが入ったら力強くグイグイとゴールまで進んでいく。ゴール前で点を合わす動きも秀逸で、相手にとってこれほど嫌なFWはいない。

FW萩原空真(宮城県、聖和学園高 1年)
受けてからの動きがスムーズで、ボールを持ってからシュートまで素早く持って行ける。加えて、スペースを積極的に狙う姿勢も目を見張り、初戦の長野戦では決勝点をマーク。続く青森戦では敗れはしたものの、ファイナルまで進んだ相手を苦しめる動きを続けた。

1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。

●第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」特集

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