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ケイアイチャレンジドアスリートチームが人気スポーツブランドSoccerJunkyとパートナーシップを締結

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写真提供:ケイアイスター不動産株式会社

難聴の人がプレーするデフフットサル女子日本代表選手などが所属するケイアイスター不動産株式会社(埼玉県本庄市)の「ケイアイチャレンジドアスリートチーム」は、Jリーグ横浜FCなどのユニホームサプライヤーでもある株式会社1009とパラスポーツ(障がい者スポーツ)の認知向上と普及活動を共に行っていくことを目的としたパートナーシップ協定を締結した。

ケイアイスター不動産は2019年4月、所属する障がい者アスリート5人で「ケイアイチャレンジドアスリートチーム」を発足。現在は「車いすバスケットボール」、「車いすバドミントン」、「デフフットサル」、「デフサッカー」の各競技の日本代表選手を含む7人のアスリートが所属している。

「ケイアイチャレンジドアスリートチーム」は、トップアスリートとしてトレーニングや競技を続けながら、社内ミーティング、研修講師や商品開発などの業務に関わったり、イベントや体験会などの地域や教育機関と連携した活動を通して、パラスポーツ認知向上につとめてきた。会社の本拠地がある埼玉・本庄市内を中心に、ジュニアスポーツ大会や学校での体験会を行い、延べ800名以上の人にパラスポーツを体験してもらってきた。

それでも、認知は十分とは言えない。今年4月に入社し、2大会連続で女子デフフットサルワールドカップで女子日本代表を指揮した山本典城監督や、同W杯で主将をつとめた岩渕亜依など選手たちは2019年にスイスW杯に向かう数か月前、渡航費や滞在費を集めるためにクラウドファンディングを実施。それでも不足したため、一部、自己負担を強いられるなど、選手の熱意に応えるだけの活動費が十分集まらないことが課題のひとつにあがる。現状のパラスポーツがお金を生み出す仕組みを作るまでは時間もエネルギーも必要だが、その第1歩として競技の魅力を知ってもらうための認知をあげることから着手した。

右がサッカージャンキー青木ハヤト社長(提供:ケイアイスター不動産株式会社

 ケイアイチャレンジドアスリートチームの山本監督と、今回コラボを実現させた「株式会社1009」の青木ハヤト社長とは旧知の間柄だった。青木社長は若い頃、ペルーでプロのサッカー選手としてプレーした経験があった。その時、足は不自由だったが、サッカーが大好きな少年と出会った。彼は自分でもプレーしたかったが、現地の一般の人々がプレーするには、ストリートの賭け試合くらいしかない。しかし、その少年を入れると負ける可能性が高まるため、誰もその少年を誘おうとはしなかった。

そこで、青木社長は自分のチームに入れた。相手は容赦なく少年を狙い、時には笑い者にするような出来事もあったが、ある試合でその少年がゴールを決めると、それまでの少年にとっていた行動がうそのように、スタンディングオベーションが起こり、感動的な雰囲気に包まれた。

「ハンディキャップのある人でも、一生懸命頑張ったら鳥肌が立つほどの感動が得られる。そんな環境を日本でも作れないか」とずっと心に留めていた青木社長は、「認知向上のために力を貸してほしい」という山本監督の相談に対し、二つ返事だった。

今後は、体験会やイベントでSoccerJunky制作によるケイアイチャレンジドアスリ
ートチームの専用ロゴが入ったオリジナルウエアを着用し、共催でのパラスポーツ体
験会などを中心にパラスポーツ普及活動を実施する。また、SNSなどを通じて双方の
活動内容を積極的に発信していく。


<選手略歴>
▼大嶋義昭(リーダー):車いすバスケットボール元日本代表、No Excuse所属(ヘッドコーチ)
▼森紀之:車いすバスケットボール元日本代表、No Excuse所属、パラバドミントンプレーヤー
▼橘貴啓:車いすバスケットボールプレーヤー、No Excuse所属
▼岩渕亜依(サブリーダー):デフフットサル日本代表(キャプテン)、デフサッカー日本代表、early.f.t所属(キャプテン)
▼川畑菜奈:デフフットサル日本代表、デフサッカー日本代表、アレグリーナ所属(キャプテン)
▼中井香那:デフフットサル日本代表、FUSION所属
▼酒井藍莉:デフフットサル日本代表、デフサッカー日本代表、Ambition所属

(取材・文 林健太郎)

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