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[MOM4308]立正大淞南DF西口大稀(3年)_部員150名を引っ張るリーダー、ヘッド2発と堅守

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後半9分、立正大淞南高DF西口大稀がこの日2点目となるヘディングシュートを決める

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.3 インターハイ島根県予選決勝 立正大淞南高 2-0 出雲高 浜山公園陸上競技場]

 3大会連続16回目の出場を果たした立正大淞南高の2得点は、どちらもMF山田涼斗(2年)のCKから。異なるポイントに送ったキックから2発のヘッドをたたき込んだのは、DF西口大稀(3年)だった。

 1点目は前半30分、ファーサイドへのボールに合わせて高くジャンプし、相手DFと競り合いながら、飛び出してきた出雲GK永見研太(3年)の前で合わせてネットを揺らした。2点目は後半9分、今度は中央へのボール。フリーで走り込んでジャンプして合わせると、ゴールライン上に立っていたDFが反応できないほどの強烈なシュートが、ニアサイドに突き刺さった。

 昨年11月の高校選手権予選決勝でもCKからヘッドで決めており、再びチームを全国に導く活躍。今回の予選では常にセットプレーのターゲットになりながらも、準決勝までは無得点に終わっており、「外してばかりでチームに迷惑をかけていました。試合で教えてもらったやり方ができてよかった」と安堵の表情を浮かべた。

 昨年度の選手権予選や全国大会は左サイドバックで出場したが、キャプテンに就任した今年度はDF坂本直太郎(3年)とともにCBでプレーしている。この日は出雲高の攻撃に落ち着いて対応し、ゴール前までボールを運ばれても決定的な場面は作らせず。シュートを後半の3本のみに抑え、「相手のFWにボールを触らせないこと、4バックがそろってのラインコントロールなどを、1試合を通してやることができた」と語った。

 今回の予選は開星高と対戦した初戦の2回戦が、1-1で延長にもつれ込む激闘に。延長後半のラストプレーで2-1として勝ち抜いたものの、その後の準々決勝、準決勝も会心の勝利とはいかず、「応援してくれる部員のみんなと、サポートしてくれる先生方に申し訳ない試合ばかりだった」と振り返る。

 そんな戦いを受けて、決勝の前に「安心して見てもらえる試合にしようと、メンバー全員で話し合った」という。その誓いをヘッド2発と堅い守りで実現し、勝利の立役者となった。

 それでも「いまのままでは、全国では絶対に勝ち上がれない」と厳しい表情。150人の部員を引っ張るリーダーとして「もっと気を引き締めて、全員が競い合えるような練習をしながら、チーム全体でレベルアップしていきたい」と本番までの成長を見据えていた。

(取材・文 石倉利英) 
●【特設】高校総体2023

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