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[MOM792]甲南大MF清水健生(2年)_柳川監督の誕生日に感謝示す2発

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MF清水健生(2年=阪南大高)の2ゴールなどで、甲南大が今季初勝利を挙げた

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.1 関西学生L1部第3節 関学大1-3甲南大 万博]

 この日は柳川雅樹監督の35回目の誕生日だった。「試合前に全員のグループLINEに『監督の誕生日なので頑張りましょう』と連絡が入った。それもあってみんなで気合を入れて試合に入れたと思います」。甲南大は昨季王者の関西学院大に3-1で快勝し、今季初勝利を挙げた。

 ヒーローになったのはMF清水健生(2年=阪南大高)だった。前半を1点リードで折り返した甲南大は後半5分、相手DFのバックパスが短くなったところに走り込んだ清水は右足でコースを変えて流し込み、追加点を記録。さらに同16分には右サイドでルーズになったボールをダイレクトで蹴り込むゴラッソで、勝利をグッと引き寄せるゴールを奪った。

「(1点目は)僕はサイドですけど、CBにプレスをかけるときは出てもいいと言われている。相手がミスをするとは思っていなかったけど狙っていた。いい形で、角度はなかったけど、ギリギリ入って良かったです。(2点目は)チャンスがあったら足を振ろうと思っていたので、いいコースに取んで良かった。1試合2ゴールは高校、大学だと公式戦では初。気持ち良かったです」

 柳川監督への感謝を示す2ゴールになった。高校1年生の時からプレミアリーグWESTを戦った阪南大高でメンバー入りを果たしていた清水だが、コロナ禍が直撃した高校3年生の時、特例大会となったスーパープリンスリーグ関西では1学年下のFW鈴木章斗(現湘南)の台頭もあり、出場機会を失った。

 そんな中でも信頼して誘ってくれたのが、柳川監督だったという。「信頼されているんやなと感じています。すごく有難いことですし、結果で返せていなかったので、今日、監督の誕生日に2点取れたのは良かったなと思います」。今季よりコンバートされている右サイドで結果を残せたことも、何よりの自信に繋がると胸を張る。

 王者・関西学院大が相手だったという意味でも大きな自信にしたい。シーズン前の練習試合でも対戦することがあったが、1-11で大敗。「相手にはデンチャレに出ていた関西選抜組もいなかった中で、どれくらい出来るかというところで入ったら、ボコボコにされた」と苦い思いをさせられた。「その借りを返そうという思いもあった。みんなで戦うことが出来て良かったと思います」。

 昨年は10位でギリギリ1部残留を決めた甲南大だが、開幕ダッシュに失敗したことが苦しい戦いを強いる要因になった。「去年、開幕連敗をしていた中で、一つ勝つことで心も変わると感じた。これからも甘い戦いはないと思うけど、しっかりと全員で、連勝できるように準備していきたい」。同じ轍は踏まない。この日のような戦いが継続できれば、甲南大が台風の目になる可能性も十分にありそうだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第100回関西学生L特集

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