beacon

[MOM803]法政大FW久保征一郎(3年)_前日A代表初ゴールの建英に刺激「いつかまた一緒に…」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.11 関東大学L1部第9節 明治大0-1法政大 味フィ西]

 均衡を破ったのは好調なチームを引っ張るストライカーの一撃だった。スコアレスで迎えた後半12分、法政大はMF佐野陸人(4年=清水ユース)がDF福田心之助(4年=札幌U-18)からボールをカット。ゴール前までドリブルで運びスルーパスを通すと、斜めに走り込んでいたFW久保征一郎(3年=FC東京U-18)が左足で流し込む。

「チームメイトに感謝したい。繋いでくれた人がいて、自分が決めるだけだった。有観客ゲームで雰囲気を作って下さった方に感謝したいですし、全部ひっくるめてのゴールだと思っているので、感謝したいです」

 新型コロナウイルス感染症の影響で1か月半開幕が遅れた法大は2連敗スタート。しかし第3戦の東洋大戦で逆転勝ちを飾ると、そこから連勝を含む負けなしで、見事な立て直しをみせている。久保自身もこれで2試合連続ゴール。「だいぶ得点の感覚が出てきた」と笑みがこぼれる。

 この日は高校時代を過ごしたFC東京U-18でチームメイトだったDF岡哲平とマッチアップ。「競り合いでは少しやられたところはあったけど、スローインとかでは体をぶつけてマイボールにするところではしっかりと出来ていた。意識していましたし、点が決められたのは凄くよかったと思います」。

 前日にはFC東京U-18でこれまた同期だったFW久保建英が、日本代表で初ゴールを決めた。同ポジションの“久保同士”。当時は比較されることも多く、“じゃない方の久保”といじられることも少なくなかった。ただ今でも交流は続いており、先日もインスタグラムのライブ配信でやり取りをすることがあったという。

 元同僚の残す結果に刺激を受けつつ、「今やれることを着実にやりたい」と足元を見つめる。「いつかまた一緒にプレー出来たらいいと思っている。今は自分は大学ですけど、点を決め続ければ認めてくれるチームがあると思うので、着実にステップアップしたいです」。夢は叶うと信じる。

 ただそのためにはまだやらなければいけないことは多い。関東リーグで得点王になった経験を持つ井上平監督も、「ゴールを取れるところにまだいれないことが多い。まだこちらが求める理解度には達していない」と要求は高い。

 久保自身も高いレベルを求めて行く。そしてチームを勝たせることが、自身の一番の評価に繋がるということも分かっている。「やり続けたいと思います」。上田綺世(鹿島)、佐藤大樹(町田)と続いた系譜を継ぐものとして、タイトルをもたらすストライカーになってみせる。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

TOP