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[関東]“FC東京内定対決”は西堂に軍配!「悔しい」と唇噛むも、寺山翼は悪夢の骨折から3か月で復帰

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[6.11 関東大学L1部第9節 早稲田大3-1順天堂大 味フィ西]

 FC東京内定選手同士の対戦が実現した。順天堂大のMF寺山翼(4年=FC東京U-18)は先発出場。一方の早稲田大のMF西堂久俊(4年=市立船橋高)は後半28分から出場し、同じピッチに立った。

 お互いに「対戦を楽しみにしていた」と口をそろえたマッチアップ。しかし軍配は後半37分に決勝点を決めた西堂に上がった。「出てきたときはやられたくないという気持ちが強かった」と振り返った寺山は、「悔しいですね」と唇を噛んだ。

 寺山と西堂は昨年10月に同じタイミングで23シーズンからのFC東京入団を発表。寺山にとっては、中学、高校時代を過ごした“古巣”への帰還にもなった。今季はFC東京U-18時代同様に主将に就任。DF山崎大地(4年=広島ユース/広島内定)やFW大森真吾(4年=東福岡高)といった1年生から主力を張る選手が最終学年を迎えるとあって、勝負をかける年とみられていた。

 しかしそんな中で寺山に悲劇が襲った。今年3月に行われたデンソーカップチャレンジ(デンチャレ)に関東選抜Aの一員として参戦した寺山だったが、初戦の九州選抜戦の前半途中に相手選手と接触。足の指を骨折してしまい、わずか30分足らずで大会を離れることになってしまった。

「あのシーンは今でも鮮明に覚えています。デンチャレには2年連続でAに選ばれていたけど、2年前はレベルの高い選手が多くてあまり試合に関われなかった。今年のデンチャレにはすごくかけていたし、中心でやりたいと思った中で怪我してしまったので、悔しかったです」

 シーズン前には参加するはずだったFC東京のキャンプにも、新型コロナウイルスの影響で参加できなかった。30分でチームを離れた関東選抜Aも、デンチャレ連覇を逃した。「今季の始まりとしては最悪だなと思った」。

 しかし、「ここで落ちているわけにはいかない」と自らを奮い立たせながら、リハビリに励んできたという。「自分が試合に出たい思いが強かった。リハビリのペースは上げたところはあります」。経過は順調に進み、3か月で試合に復帰できるまでにこぎつけた。6月5日の東洋大戦で後半開始から途中出場して今季リーグ戦初出場を果たすと、11日の早大戦では初先発。「正直、もっとやれたという感覚はあったけど、今日持っている100%は出したつもりです」。まずは今季初の90分を走り抜けたことに安堵する。

 しかしチームは連敗。開幕からここまで2勝1分6敗と、現在10位に低迷している。「自分が高3でキャプテンをやった時に勝てなかった時と同じ感覚を味わっている。そこは自分の中で打開しないといけない」。主力に故障者が多く、なかなか戦力が揃わない状況にあるが、「緩い部分もあるのでもう一度引き締めて、自分が中心となってまずは残り2戦で勝ち点6取れるように準備したい。そこからアミノも大臣杯も獲りにいきたい」と意気込んだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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