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[関東]“今季の大学サッカー界の顔”順天堂大FW大森真吾が1年2か月ぶりに復帰戦「感慨深さよりも…」

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1年2か月ぶりに復帰したFW大森真吾

[8.6 関東大学L1部第12節 桐蔭横浜大4-0順天堂大]

 ブランクから来る精神的な不安、ちぐはぐな感じを最後まで拭い去ることが出来なかった。「散々な復帰戦になってしまいました。準備が足りなかったのか、まだ出来る体じゃなかったのか。課題を持ち帰ってしっかり分析したいと思います」。順天堂大FW大森真吾(4年=東福岡高)に1年2か月ぶりのピッチを楽しむ余裕はなかった。

 間違いなく、今季の大学サッカー界の顔の一人になるはずだった。入学直後からレギュラーとして活躍し、リーグ新人賞を受賞。2年時に出場したデンソーカップチャレンジでは関東選抜Aの一員として優勝を経験し、自身もベストイレブンに選ばれた。3年時には出場した天皇杯でFC東京を破るジャイアントキリングを演じたことで、知名度も上げた。

 そんな折、大森を悲劇が襲う。昨年の前期リーグ最終節、駒澤大戦に先発した大森だったが、序盤に相手選手と接触。前半24分に負傷交代を余儀なくされた。診断の結果は右足腓骨の骨折。長期離脱が判明すると、同時にもともと不安のあった右膝の治療も試みたが、その治りが思いの外悪く、今春に行った再手術が復帰時期をさらに遅れさせていた。

 早く戻りたい。焦りがあったわけではないというが、チームは前期を最下位と勝ち点1差の10位で折り返し、総理大臣杯への出場権は獲得したものの、巻き返しのためにはプラスアルファが必要だった。「今やれることは準備してグラウンドに立ったつもりでした。感慨深さよりも悔しさ、不甲斐なさが大きいです」。今季最多の4失点敗戦ということもあり、反省の言葉ばかりが口を突く。

 ただ自身のコンディションを上げることが出来れば、必然的にチーム状態も上向くと信じてやっていきたいという。この日の会場にはU-21日本代表の大岩剛監督の姿もあった。パリ五輪世代でもある大森としては、常に意識をしていきたい存在だ。「今日は全くアピール出来なかったけど、これからコンディションが上がって、これだけやれるんだぞと、今日との違いを見てもらう日がくれば、またチャンスが来ると思う」。自分は必ずやれる。大学サッカー界屈指のストライカーは、まずは自身のパフォーマンスを取り戻すことに集中する。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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