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[MOM829]明治大FW正田徳大(4年)_チームに必要だった起爆剤

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正田の勝ち越しゴールで歓喜の輪を作る明大

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.17 関東大学L1部第18節 明治大2-1順天堂大]

 1-1の均衡を破るべく、明治大は後半23分にFW正田徳大(4年=柏U-18)を投入する。すると直後のプレーだった。DF林幸多郎(4年=鳥栖U-18/横浜FC内定)が中盤でカットしたボールをFW中村草太(2年=前橋育英高)がドリブルで運ぶ。そして左サイドからのクロスを、正田が細かいコントロールから右足で決めきってみせた。

「自分自身が入ることでチームに勢いをもたらす部分であったりで、チームを勢いづけたいと思った。それがゴールという形で結びついて良かった。監督からも最後は4年生が決めてこいと言われていて、自分も得点を意識していたので、入って良かったです」

 正田は先週までセカンドチームにいた選手だった。明大は1か月半の中断明け初戦の早稲田大戦を4-0で快勝していたが、そのあとは1分1敗。最大で「8」開いた2位との勝ち点差も、一気に「3」にまで詰まっていた。チームに必要だった起爆剤。自他ともに認めるムードメーカーでもある正田に白羽の矢が立っていた。

 得点後は一目散にベンチに駆け、全員で歓喜の輪を作る姿が印象的だった。学部もゼミも一緒だというMF木村卓斗(4年=横浜FMユース/横浜FM内定)が、心から喜んでいる様子が伝わった。栗田大輔監督も「こういう競った試合は4年が力を発揮してくれるだろうと思った。正田のスピードと一発にかけてみようと思って入れたら、見事に期待に応えてくれた。積み重ねてきたものが出るなと思いました」と目を細めた。

 大学生活も残りわずかとなってきたが、卒業後もサッカーを続けたいという希望を持つ。中高と柏の下部組織でプレー。現在、トップチームでプレーするFW森海渡、FW細谷真大と3トップを組んで活躍した。特に同学年の森とはプライベートから仲が良く、今でも頻繁に連絡を取り合っており、将来に向かう原動力となっている様子だ。

「森とはサッカーの話からプライべートからいろいろ話をするのですが、彼は(筑波大で)1年生のころから活躍していて、刺激というか、目標にしてきた存在だった。彼が(大学を3年で切り上げて)Jリーグで得点を取ったりする姿をみると、自分もその舞台に立ちたいなと思わせてくれる。心に火を灯してくれる存在です」

 この日は負傷のFW佐藤恵允(3年=実践学園高)やMF田中克幸(3年=帝京長岡高)がスタンドから応援する姿がみられた。「自分も先週までは応援でチームを勝たせる立ち位置だった。先週までセカンドの選手がポンと使われても結果を残せば、セカンドでもがいている選手の希望の光じゃないですけど、そういう可能性を示せたのは良かったと思います」。誰が出ても結果を残せるという強みを改めて示した明大。団結力を増した紫紺軍団が、2年ぶりの優勝に向け再加速する。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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