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[関西]阪南大14番&主将を2年連続して襲った試練「自分も怪我を乗り越えて」

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MF工藤蒼生(4年=仙台ユース)

[10.22 関西学生L後期第7節 関学大3-0阪南大 ヨドコウ]

 前期第11節から続いていた阪南大の連勝が、7で止まった。勝ち点差1に詰め寄って迎えた首位・関西学院大との天王山だったが、スコアは0-3。MF工藤蒼生(4年=仙台ユース)も「ボール回しがとても上手くて、自分たちもハメようと前からプレッシャーをかけたけど、そこをはがされてしまった」と完敗を認めるしかなかった。

 阪南大の14番はエースナンバーとして代々引き継がれている。近年もMF松下佳貴(仙台)やMF脇坂泰斗(川崎F)ら名だたるOBが背負って来た番号で、工藤はテゲバジャーロ宮崎に進んだMF江口稜馬から14番と主将を託されていた。

 しかし同様に怪我の苦しみも引き継いでしまった。昨年度の江口は4年生の春に左ひざ前十字靭帯を断裂。シーズンをほぼ棒に振る大怪我を負った。そして工藤も今年3月に左ひざの半月板を負傷。リハビリ過程の中で、7月に手術を余儀なくされるなど、思うようなシーズンを送れていなかった。

 ただ今月9日の関西大戦に途中出場して、ようやく今季初出場を果たすと、15日の大阪産業大戦では前半45分間出場。そして22日の関学大戦ではフル出場を果たした。

 怪我をすることも成長するために必要な過程だったと信じている。「稜馬くんもそうでしたけど、リハビリを乗り越えたからプロに上がれたと思う。自分も怪我を乗り越えて、プロ内定できるように頑張りたいと思います」。

 またチームをピッチ外からみることで多くの気づきがあり、チームメイトと共有できていることが、後期の好調の一因になっていると分析する。「前期はコンビネーションが良くなかった。そこを修正できたことが、右肩上がりになってきた要因かなと思います」。

 連勝は止まってしまったが、トップとは勝ち点差4の3位。6年ぶりの優勝へ向け、再度気合を入れ直したいところだ。そして昨年決勝で敗れた大学選手権(インカレ)のリベンジへ。「悲しい思いをしたので、今年こそはという感じです」。悲願の日本一を目指す阪南大が、ここからさらに勢いを加速させる。

(取材・文 児玉幸洋)
●第100回関西学生L特集

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