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[MOM837]東海大FW藤井一志(3年)_2部得点王が最後の最後でみせた「今季のベストゴール」

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1G1Aを記録したFW藤井一志

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.26 関東大学L1部参入プレーオフ決定戦 駒澤大0-5東海大 味フィ西]

 今季の関東2部リーグで13得点を決めて得点王に輝いたFW藤井一志(3年=東海大高輪台高)だが、「今季のベストゴールが最後の最後で出た」と喜んだ。

 前後半2点ずつを決めて圧勝ムードとなっていた東海大だったが、藤井はゴールを奪うことが出来ていなかった。「得点王を取った身としては、焦りじゃないけど、決めないとと思っていた」。そんな中で後半21分の場面はやってくる。

 GKからのロングキックをMF長木仁(1年=甲府U-18)が頭で繋いだボールがエリア手前の藤井に渡ると、やや前に出ていたGKのポジションを確認しながらループシュートを狙う。あとは弾道を見届けるだけ。数秒後に仲間からも驚きの声が上がるとともに、歓喜の輪が作られた。

「シュートの前からGKが前に出ているなと思っていて、意外と相手も足を出してこなかったので、どこかで狙っていました。上手く行きすぎて自分でもびっくりしたけど(笑)、最後の最後で貢献できたかなと思います」

 東海大系列の東海大高輪台高時代はサイドバックやボランチ。今季の2部リーグで11得点を決めて藤井と得点王を争い、この日も2トップを組んだFW桑山侃士(2年=東海大高輪台高)とはダブルボランチを組んでいた。しかし大学に進学してサイドハーフに主戦場を移すと、今季より本格的にFWに転向した。

 大学1年目と2年目に体づくりに力を入れたことが、大学3年生での飛躍に繋がっていると分析する。「FWとして結果を残すビジョンはなかった」と笑うが、「3年目で結果を残すというビジョンを描いていた。大学で体づくりをするうちにスピードが上がった」とトレーニングの成果に胸を張る。

 この日の会場となっていた味の素フィールド西が丘も相性がいい舞台だった。高校3年生の時に出場した高校サッカー選手権東京都予選の準決勝でも決勝に導くヘディング弾を記録。大学1年生の時に行われた特例全国大会のアタリマエニカップでは、決勝に1年生で唯一出場。日本一の瞬間をピッチ味わった。

 いい思い出が上書きされた味フィ西では、1部に昇格したことで試合をする機会も増えるはずだ。「個人としては相手チームから2部の得点王と言う見方をされると思う。今日のようにプレッシャーやマークは厳しくなると思うけど、自分はそういう方が楽しめる。続けて1部の得点王、(桑山)侃士も狙っていると思うので、2人で量産したいと思います」。急成長をみせる点取り屋が、初の1部リーグの舞台で大暴れする。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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