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[MOM866]筑波大FW半代将都(2年)_勝負のシーズンに勢いをつけるハットトリック

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ハットトリックを決めたFW半代将都

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.20 第1回大学日韓新人戦 筑波大5-1仁川大 浦安]

 両チーム一人ずつが選ばれる優秀選手賞こそMF田村蒼生(2年=柏U-18)に譲ったが、分かりやすい結果を残したのはFW半代将都(2年=大津高)だった。「点を取ることを求められている中で、3点取れたことは良かったと思います」。背番号9も納得顔で汗を拭った。

 チームも自身も乗せる先制点になった。前半20分、右サイトでCKを獲得した筑波大は、DF沖田空(2年=鹿島ユース)がニアで落としたボールを半代が押し込む。「あの形は結構練習していた形」。さらに阪大は前半のうちに追加点を奪うと、4-0で迎えた後半41分に沖田の右クロスに走り込んだところ、GKの弾いたボールが体に当たるラッキーな形でハットトリックを完成させた。

「最初こそ慌ただしかったけど、上手く繋がりだしてからはゴール前に厚みのある攻撃ができたと思います。でも(チームとして)5点取れたのは良かったけど、まだ取れたなというのがある。これから改善して、リーグ(開幕)が近いので、修正していきたいです」

 高校時代以来のハットトリックだった。強豪・大津高の主将として、世代屈指のストライカーとして注目されるはずだったが、高校最後の年はコロナ禍初年度が直撃。プレミアリーグの開催が困難となるなど、活躍の場を失った。

 しかし高校最後となった試合、特例開催となったスーパープリンスリーグ九州の優勝決定戦で東福岡高と対戦すると、半代は3得点を決める大活躍。チームも6-0で大勝し、優勝へと導いた。「久しぶりなので素直に嬉しい」。当時の思い出がよみがえる結果に笑みを浮かべる。

 “リスタート”のきっかけにしたい。なかなか出場機会を掴めなかったこともあり、ここまで2年間のリーグ戦の得点はゼロ。ルーキーイヤーから結果を残すMF角昂志郎(2年=FC東京U-18)やMF田村蒼生(2年=柏U-18)、MF竹内崇人(2年=広島ユース)らの活躍を傍で見ることしか出来なかった。

 ただ最初は焦りがあったというが、今出来ることをコツコツ積み上げること、そして自分にしかできないことを考え、そこにアプローチすることで自信を徐々に取り戻していった。

 さらに昨年からは元日本代表の平山相太コーチの指導を受けることで、FWとしての動きに磨きをかけてきたという。そして今年は平山コーチが実質的な指揮を執ることから、「相太さんは縦に早いサッカーをするので、自分にフィットしている。相太さんを日本一にしたいという思いは強いです」と気合も十分にしている。

 また気合を十分にするには訳もある。上級生の卒業により半代への期待も集まることになりそうだが、注目ルーキーのFW内野航太郎(←横浜FMユース)や高校の後輩になる191cmFW小林俊瑛(←大津高)が入学。春からFW陣の競争はより激しさを増す。「自分も3年ということで、この先プロになるためにも活躍しないといけない。関東リーグ得点王を目標にしたい」。勢いを持って勝負の年と位置付けるシーズンに突入する。 
 
(取材・文 児玉幸洋)
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