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名古屋アカデミーから大学へ…全日本大学選抜の名古屋内定FW倍井謙はA代表の戦友に刺激、ラストイヤーの飛躍誓う

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FW倍井謙(関西学院大=名古屋U-18/名古屋内定)

[3.21 DENSO CUP SOCCER 第21回大学日韓(韓日)定期戦 全日本大学選抜1-0全韓國大学選抜 駒場]

 今回の全日本大学選抜は、前年とは大きく顔ぶれが変わった。その中で昨年も全日本を経験している数少ないメンバーのひとりであるFW倍井謙(関西学院大=名古屋U-18/名古屋内定)は、「最初集まったとき、去年より静かだったんで、僕とか去年からやってる選手が引っ張っていかないといけないと意識的に声をかけるようにしていた」とチームを牽引する意識を持って、活動に臨んだ。

 一週間の準備期間を経て迎えた日韓戦だが、「前半はチームとして内容が全然だった」と倍井が振り返ったように、日本が主導権を握りながらも攻撃で連動性を出せず、シュートもわずか1本。「距離感もよくなかったし、ボール引き出す選手がもっとたくさんいないといけない」とハーフタイムに話し合い、後半は互いの良さが機能しあって、韓国を圧倒した。

 倍井も持ち味を出して、相手の守備を切り崩していく場面を見せたが、この日は得点にはつながらず。「ここに来るまでの練習試合ではいい形で得点とかもあったんで、取りたかったという気持ちもむちゃくちゃ強かったです。関学では取っていかないと」とゴールへの意識を口にする。

 名古屋グランパスの特別指定選手にもなっているが、活動のベースは大学となる。関学大は攻撃面でチームを牽引してきた木村勇大(京都サンガ)、山田剛綺(東京ヴェルディ)が卒業し、倍井にかかる期待も大きい。「勇大くんの後を継ごうと思うんで、より一層頑張りたいと思います」と今季は大学でも背番号10を背負い、エースとしての覚悟もある。

 加えて、名古屋U-18の先輩である菅原由勢(AZ)と藤井陽也(名古屋)がキリンチャレンジカップ2023の代表に選ばれたことも奮起の材料となっている。倍井はユースでも上の学年とプレーする時間が長く、菅原や藤井と会話し、トレーニングする機会も多かった。「由勢は海外行ったので接点も少なくなってますけど、はるちゃんは名古屋に行ったときいっつも一緒にやっているので、そういう存在がA代表に入っていくっていうのはすごく刺激的だし尊敬しています」と話す。これまで、名古屋のアカデミー出身者では、攻撃的な選手の代表選出がないだけに、倍井がその第一号となりたいところだ。

 そのためにも、「今年は個人で圧倒的な存在になっていくのをモットーにやっていきたい」と力を込める。「数字もだけど、チームに欠かせない存在になる。毎試合チームを勝たせる選手になることを意識して、練習から積み重ねていけたら」と、大学ラストイヤーでさらにスケールの大きな選手へと飛躍を誓う。

(取材・文 蟹江恭代)
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