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[コマスポ]4年生の引退試合。先輩の思いを胸に2010へ

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思い出のグラウンドから未来へ- 4年生引退サッカー

 昨年の12月、インカレ準決勝で福岡大に敗れてから1ヶ月以上経った2月2日、駒大玉川グラウンドで4年生の引退サッカーが行われた。

 前日からの雪の影響でグラウンドに雪が積もるなか、オフ期間中にヴィッセル神戸へ入団した三島康平など所用で欠席した4年生を除いて、まずは部員全員での雪かきから始まった。

 そして各学年に分かれて試合開始。4年生チームは、裏方として活躍した主務の部員も参加。随所に好プレーを見せた。決定機を外した選手には、休憩中の部員から雪玉が飛んでくるなど、普段の厳しい練習中での緊張感は見られず、終始リラックスしたムードで楽しい時を過ごした。最後は、苦楽を共にしてきた4年生の部員全員で記念撮影し終了。この日をもって駒大サッカー部の活動を終えた。

 ここで、引退サッカー終了後の4年生のインタビューや秋田浩一監督のコメントを交えながら駒大の09シーズンを振り返ってみたい。

 スタートは最悪だった。秋田監督からも「このままでは2部落ちも考えないと」とまで言わせるほどだった。08シーズンから中心メンバーだった中山友規、三島などの先発メンバー固定の遅れ、さらには三島の故障も響き、序盤はメンバーを試しながらの戦いとなったため、勝ち点が伸び悩んでしまった。それでも6節に08年の覇者、流経大に1-1のドローに持ち込んだ所から選手に自信が見え始め、前期終了まで負けなし。その勢いで、夏の総理大臣杯の出場権も3年ぶりに獲得した。

 ここで、今シーズン最大の試練を迎える。大臣杯2回戦の静岡産業大に延長戦の末敗退してから後期リーグ開幕までの時期、「大臣杯に負けてから、よいチームになるためにはどうしたよいか、もっと勝てるチームになるか、というのを選手たち自身で考えていた」と福岡大戦後、後期が好調だった原因について問われ、秋田監督が話した。

 事実、後期が開幕して失点は目に見えて減り、ボールを回してくるチームが多いなかでも、その対応にも落ち着いて対処する選手の姿が見られた。CBでチームを支えた伊藤龍も「後期は守備の安定感が高かった」と手ごたえを感じていた。

 そして、今シーズンを象徴する試合ともいえるリーグ最終節の早大戦を迎える。勝てばインカレ出場。この試合は、多くの4年生が印象の残る試合として挙げており、その中でも中山主将は「試合をしている人はもちろん、見ている選手も最後まであきらめないでいいサッカーができたのではないか」と振り返った。(試合の詳細は過去の記事「駒大、ミラクル勝利でインカレ切符!」を参照されたい)逆転ゴールが生まれた瞬間、スタジアム中が歓喜に包まれたあの瞬間は、これからも4年生の心に残り続けることだろう。

 「(4年生に対して)ありがとうと言いたい。サッカーではこのような結果になってしまったが、人生では勝利者になってほしい」秋田監督は福岡大戦終了後、こう選手たちに話しかけたという。

 敗戦したこの瞬間から、駒大は2010シーズンに向けて動き出した。主な4年生の進路は、三島がJ1神戸へ入団。FWの佐藤佳成はJリーグ入りを目指す社会人チームへ(正式発表前なのでチーム名は避けさせていただいた)。

 中山主将、山崎健太は、プロチームの練習にも参加していたが、チームが決まっていない状況という。その他の4年生はサッカーを離れ、一般企業への就職が決まっている。中山主将の後を継ぐキャプテンはMF金正也。副主将にはGK岡大生、DF酒井隆介が決まった。

 2010シーズンも開幕まで2ヶ月。今シーズンも金主将率いる新星駒大に目が離せない。

(文 駒大スポーツ・東條貴史)

4年生の皆さん、取材協力などご協力ありがとうございました。これからのご活躍を駒大スポーツ一同お祈りいたします。

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