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[大学・デンソーカップチャレンジ]優勝候補、タレント軍団沈み巧者ら決勝へ

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第24回デンソーカップチャレンジサッカー西都市大会(3月5日~7日)

 20分ハーフという短い試合時間をどう戦うのか。大学サッカーの地域選抜対抗戦、デンソーカップチャレンジサッカーのリーグ戦最終日の結果は、そのことに対する各チームの答えが明確に現れた結果となった。

 Aブロック第1試合の関西大学選抜A対関東大学選抜Bの一戦では、関西Aがハーフタイムの選手交代を効果的に活用。前半は関東Bの猛攻を徹底して守りきり、後半にMF藤澤典隆(関西大3年=広島ユース)、MF井上翔太(阪南大2年=東福岡高)といった突破力のある選手を投入。後半20分に勝負を賭けた。逆に関東Bは藤本修司(専修大3年=三菱養和SCユース)、楠木啓介(明治大2年=鹿児島実高)とDF2人を一気に変えたことで全体のマークが甘くなり、28分、井上にドリブルから得点を許す結果に。関東Bも終了間際にはPA内にたびたび迫るが、手数をかけすぎてゴールまではいたらず、結局1-0のまま試合は終了。関西Aが直接対決で関東Bを下し、リーグ首位へのわずかな可能性を残した。

 しかし、続く試合でAブロック首位、東海・北信越大学選抜は試合巧者ぶりをいかんなく発揮。立ち上がりこそ北海道・東北大学選抜に先制点を許したが、後半には前横浜F・マリノスのMF石原卓(中京大1年=中京大中京高)のゴールで同点とし、残り時間は無理のない展開で首位抜けに必要な勝ち点1をキープ。北海道・東北に攻め手を与えずにタイムアップを迎えた。

 一方、Bブロックでは関東大学選抜Aと九州大学選抜が対戦。立ち上がりからボールを支配した関東Aだが、九州の徹底した守りを崩せず決定的なシーンを作ることができない。逆に前半終了間際には、日本代表のエース永井謙佑(福岡大3年=九州国際大付高)がPA外からの鮮やかなループシュートをゴール右隅に決めて九州が先制。永井のスピードに対するケアは徹底していた関東Aだったが、予想外の形での先制ゴールを為す術もなく見送った。
 関東Aは後半、山田大記(明治大3年)に代えてFWの久保裕一(明治大3年=名古屋U18)を投入。2列目に下がった林容平(中央大2年=浦和ユース)と久保の突破で流れを変えると、4分には久保が強引にドリブルで持ち込み同点弾を放つ。しかしその後はゴール前でのスピーディーなプレーがなりを潜め、双方追加点を奪えず同点のまま試合を終えた。

 そしてリーグ戦最後の試合となる中国・四国大学選抜対関西大学選抜Bの対戦。最初に動いたのは、やはり無敗で勢いにのる中国・四国だった。「試合時間の短いグループリーグはアップテンポな試合を心がけた」(菅輝監督)という中国・四国は8分、中盤でボールを奪うと、すばやい展開でサイドからペナルティエリア中央にダイレクトパスを送り、最後は中島康平(福山大2年=立正大淞南高)が頭で合わせて先制。リーグ戦全勝に王手をかける。しかし後半に入ると一転、関西Bが反撃をかける。6分にCKからDF藤原広太朗(立命館大1年=F東京U-18)が同点弾を決めると、その2分後にはゴール前でのこぼれ球をMF西口大輔(関西大3年=初芝橋本高)が押し込んで追加点をゲット。今リーグ戦を通じて初の逆転に成功する。さらに攻撃を畳み掛ける関西Bに中国・四国はチャンスを作れず、2-1のスコアのままタイムアップ。最後に初黒星を喫することとなったが、九州が引き分けたことによりBブロック首位の座を守り切ることに成功した。

 この結果、決勝は東海・北信越対中国・四国という対戦カードになり、3位決定戦はリーグ最終戦で結果を出した関西ABの直接対決という結果になった。また優勝候補の九州は5位決定戦で関東Bと対戦、タレントの宝庫といわれた関東Aは北海道・東北と最下位決定戦を戦う。

<写真>タレント軍団と言われた関東A(左)と優勝候補・九州(右)はともにブロック下位に沈み、決勝進出を逃した
(取材・文 飯嶋玲子)

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