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[大学・デンソーカップチャレンジ]元JリーガートリオにCBコンビ、安定感際だった東海・北信越が2大会ぶりV

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第24回デンソーカップチャレンジサッカー西都市大会(3月5日~7日)
[3.7 デンソーカップチャレンジ決勝 東海・北信越 2-0 中国・四国]

 7日、大学サッカーの地域選抜チーム対抗戦、デンソーカップチャレンジサッカー西都市大会決勝で東海・北信越大学選抜と中国・四国大学選抜が対戦。2-0で勝った東海・北信越が2大会ぶり2回目の優勝を飾った。

 リーグ戦では守備を徹底し、セットプレーから確実に得点を決めてきた東海・北信越。小松崎保監督(金沢星稜大)は「関東、関西に対しては弱者の戦い方で行くしかなかった」と笑うが、2大会ぶりの優勝をかけた決勝戦では、立ち上がりから積極的な攻撃を展開した。中国・四国にボールを持たせながらも決定的なチャンスを作らせない。中国・四国がダイレクトプレーで攻撃を仕掛けようとすると、ゆっくりとしたボール回しで相手のリズムを崩すなど老獪なゲーム運びで相手を牽制。だが、双方ともに決定的なチャンスシーンは少なく、0-0のまま試合の3分の2が進む。

 ゲームが動いたのは後半24分、中国・四国のオフサイドトラップのかけ損ないからFW齋藤和樹(中京大3年=清水商高)が左サイドを突破。慌てて反応したGK木下裕貴(吉備国際大3年=鹿児島実高)のPA内のファウルがとられ、東海・北信越がPKをゲットする。しかし齋藤自らが放ったシュートはバーに当たって跳ね返り、決定的な得点機会をフイにしてしまう。

 だが、チームはこのプレーで完全に勢いに乗った。小松崎監督が「(PKの失敗は)まったく気にしていなかったし、(その後の影響も)心配していなかった」というように、33分には右サイドの突破にDF平山照晃(中京大3年=福岡IU-18)が飛び込んでCKを得る。「必殺のCK」と小松崎監督が笑うMF石原卓(中京大1年=中京大中京高、前横浜F・マリノス)のボールを、DF中田智久(中京大2年=中京大中京高、前ヴィッセル神戸)が頭で押し込んで先制。その後も東海・北信越の畳み掛けるような攻撃が続き、中国・四国はチャンスらしいチャンスをほとんど作ることができない。終了間際にはDF星野悟(中京大3年=前橋商高)が強引なドリブル突破で再びPKを得ると、星野自身が冷静にシュートを決めて決定的な2点目をマーク。そのまま試合は終了し、東海・北信越が、2大会ぶり2度目の優勝を手にした。

 中田、石原、金尚佑(新潟経営大2年=柳ヶ浦高、前徳島ヴォルティス)ら元Jリーガーを多く擁した東海・北信越は大会を通じて冷静な試合運びが光った。関東や九州ら優勝候補が中途半端なプレーで実力を出し切れないまま脱落していくなかで、この結果は順当なものといえるだろう。なかでも中田とユニバ代表・森本良(中京大3年=名古屋U18)のセンターバックコンビの安定感は抜きん出ており、「真ん中ふたりがしっかりやれば、チーム全体が落ち着く」(小松崎監督)というように、チームにも結果にも大きな影響を与えたのは間違いない。

<写真>後半24分、先制ゴールを決めた東海・北信越DF中田(下)が齊藤と喜ぶ
(取材・文 飯嶋玲子)

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