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[大学]3連続完封の堅守・駒大、1年生コンビもアクセントに(駒澤大vs順天堂大)

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[5.4 関東大学1部第5節 駒澤大 1-0 順天堂大 駒沢]

 第84回関東大学サッカー1部第5節第2日、駒沢陸上競技場で3位・駒澤大と8位・順天堂大とが激突。駒大が1年生FW山本大貴(ルーテル学院高)の公式戦1号となる決勝ゴールにより、1-0で勝った。3連勝で4勝1敗とした駒大は2位へ浮上した。

 駒大が3戦連続、今季4度目の完封勝利で勝ち点3を積み重ねた。昨年は開幕5戦で1勝、前期を通しても4勝と優勝争いから大きく出遅れた駒大。それが今季は5戦で早くも4勝目だ。秋田浩一監督は「まだまぐれの勝利が多い。もっと落ち着いてやりたいけど」と苦笑いしていたが、それでもFW岡本達也(4年=磐田ユース、前ジュビロ磐田)や原田開(1年=磐田ユース、前湘南ベルマーレ)らタレント擁する順大の攻撃を封じきった90分間を「先週(退場者を出しながら)10人で慶應を抑えられたこと(3-0勝利)が自信になっている」と評価していた。

 先発11人中7人が180cm以上だった1月の大学選手権時に比べると、ともに170cm台の林堂眞(3年=習志野高)と山崎紘吉(3年=成立学園高)をCBに配置するなどやや“小型化”。それでも、相手の攻撃を跳ね返すことを徹底させたら、守備能力の高い選手が揃う駒大の右に出るチームはない。

 特に前線のプレスが弱まった後半は順大にボールを回されたが、決定的なピンチは順大の1年生MF天野純(横浜FMユース)のFKのこぼれをエース岡本に詰められかけた場面と、後半ロスタイムに右サイドを抜け出した岡本のクロスから井村に飛び込まれた場面くらい。前半はDFラインの背後を突かれる場面が何度かあったが後半はその危険も消えていた。両CBや中盤の底に位置する主将の金正也(4年=神戸科学技術高)らが前線に入ってくるボールをことごとく跳ね返し、その後方では1年時から名門のゴールを守る守護神・岡大生(4年=清水商高)がカバーして難なく守りきった。

 堅守に加えて、開幕戦から抜擢されているU-19日本代表候補MF碓井鉄平(山梨学院高)と第3節から先発起用されている山本の1年生2人の奮闘も見逃せない。「5節でのゴールでは遅い。決められてよかった」という山本が、破壊力ある左足で決勝ゴール。また「縦の攻撃に加えて、自分の良さであるタメをつくったり、サイドへ展開することを意識している」という碓井は局面でのドリブル突破でDFを引き付けスルーパスを繰り出すなど存在感を発揮した。全体的に縦に速い攻撃のなかでアクセントとなっている高校選手権Vの立役者・碓井と同大会得点王・山本の2人も首位争いの原動力に。守備面には手ごたえを得ているだけに、新エースとして期待される184cmFW棗佑喜(4年=丸岡高)や開幕から4戦連発と好調なMF金久保彩(4年=花咲徳栄高)、そして1年生2人ら攻撃陣が示す今後の結果次第では、首位・明治大と勝ち点1差につける前半戦の主役となる可能性も十分にありそうだ。

(取材・文 吉田太郎)

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