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名門対決で5発!「今までと違うレベル」の筑波大が慶大に快勝

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[5.15 関東大学1部第7節 慶應義塾大 1-5 筑波大 西が丘]

 第84回関東大学サッカーリーグ1部は15日、第7節を行い、東京・国立西が丘サッカー場の第1試合では慶應義塾大と筑波大が激突。筑波大が1年生FW赤崎秀平(佐賀東高)の2得点など5-1で快勝し、暫定6位へ浮上した。

 まだ試合によってバラつきはある。だが、Jクラブ相手でも真っ向勝負できるチームができつつある。慶大との名門対決で5発を叩き込んだ筑波大が、そのポテンシャルの高さをピッチ上で披露して見せた。

 これでもかという中央突破の連続だった。マークを巧みに外す受け手にMF森谷賢太郎(4年=横浜FMユース)、MF八反田康平(3年=鹿児島中央高)の両ボランチや10番・小澤司(4年=桐蔭学園高)、1年生MF上村岬(磐田ユース)らから狂いのないパスが次々と通されていく。ここまで6戦中3試合で無失点の慶大も要所は締めていたが、それでも筑波のミスのないパスワークの前に良い形でボールを奪うことが出来ない。そして相手のタレントたちが放った素晴らしいシュートに大量失点を喫してしまった。
 
 ゴールラッシュの口火を切ったのは1年生コンビだった。前半4分、ショートパスをつないだ筑波大は、DFのマークを外した赤崎に上村がスルーパスを通す。右サイドから赤崎が放った強烈な一撃がゴール左隅へと突き刺さった。10分にDF須藤壮史主将(4年=柏U-18)が放ったヘディングシュートはクロスバーを叩いたが、その後も筑波の攻勢は続く。
 15分、小澤の左CKをニアサイドへ飛び込んだ上村が頭で合わせてリードを広げると、21分には左サイドで上村とワンツーをかわしたSB原田圭輔(4年=藤枝東高)が、ドリブルで相手守備網をこじ開け、そのままPAまで持ち込んでから右足シュートをゴールへとねじ込んだ。

 3-0で迎えた後半も筑波ペースは変わらない。10分に森谷が右足で弾丸ミドルをゴールへ突き刺すと、26分にはPAやや外でボールを受けた赤崎がマークを外して右足を振りぬく。DFに当たってコースの変わったシュートは、そのままゆっくりとゴールへ吸い込まれた。得点シーン以外にも赤崎、八反田のコンビで完全にDFを翻弄してから全日本大学選抜FW瀬沼優司(2年=桐光学園高)がゴールマウス直撃のシュートを放ち、DFの背後をついた赤崎がGKと1対1となるなど、筑波は後半半ばまで怒涛の攻撃を繰り広げた。

 一方、この展開でも存在感を放つMF河井陽介(3年=藤枝東高、清水エスパルス特別指定選手)の右足ミドルやPAでDFとGKをかわして放った風間荘志(3年=暁星高)のシュートなど慶大にも得点機はあった。ただゴールは筑波のペースが落ちた後半35分に河井の右CKから途中出場のMF横川達郎(4年=渋谷幕張高)が頭で決めた1点のみ。過去30年以上勝利のない苦手筑波に再び屈辱的な敗戦を喫してしまった。

 筑波は元日本代表MFの風間八宏監督就任3年目。個人技術、個人戦術の向上にこだわった“風間サッカー”を積み上げてきた3、4年生に加え、赤崎、上村、そしてCB谷口彰悟(大津高)といった能力の高い1年生が加入したことで、今季は過去2年に比べても明らかにレベルの上がったサッカーを展開している。まだ自滅する場面が散見された開幕4試合で3敗を喫したが、一方で3連覇を目指す王者・流通経済大と中央大という優勝候補から勝ち点3を奪取。そして慶大に叩き込んだ5発での勝利に指揮官も「選手の向上が結果につながっている。今年はJとやってもサッカーができるようになっている。今までと違うレベルにまで来ている」と手ごたえを口にする。それは選手たちも同じ。やや出遅れた序盤からの巻き返しへ原田は「最初は結果がでていなかったけど、やろうとしていることが出来てきている。これからやる試合全部勝つ。Jとやってもこっちの方がいいサッカーをしていると思う。今年は天皇杯を獲ることも目標」と言い切った。

<写真>後半10分、豪快なミドルシュートを決けた筑波大・森谷と(右)と原田が応援団と喜ぶ
(取材・文 吉田太郎)

大学サッカー特設:関東1部

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