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[総理大臣杯]“強い駒大”復活!1点守り4強へ(高知大vs駒澤大)

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[7.6 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準々決勝 高知大 0-1 駒澤大 堺NTC]

 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準々決勝、昨年準優勝の高知大(四国)対駒澤大(関東2)は後半に挙げた1点を守った駒澤大が1-0で勝利。仙台大と対戦する準決勝へ駒を進めた。

 まさにワンチャンス。駒澤大をベスト4に導いたのは、後半5分に左サイド・金久保彩(4年=花咲徳栄高)から通った針の目を通すようなピンポイントのパスだった。受けたのは、1回戦で勝ち越しゴールを放ったFW棗佑喜(4年=丸岡高)。切り返しでDFをかわすと、ここしかないというコースに左足で放ったシュートは、DFの手の横をすり抜けてゴールへ。駒大は、この1点を守りきって勝利。昨年度準優勝校・高知大は2年連続決勝進出の夢を、はたすことなく大阪をあとにすることとなった。

 終始、駒大がペースを握っていたという試合ではない。だからこそ「やりにくい相手」と、高知大の野路照樹監督は駒大を評する。「蹴って、走って、フィジカルに強い。ウチはそういう面で揉まれていないので厳しい」(野地監督)。前半は駒大のパワーに圧倒されたが0-0でおさえたところまでは予定どおり。後半はMF香川大樹(4年=近大東広島高)、MF芝野創太(4年=三田学園高)、FW布施祐典(4年=益田高)ら足元の巧い選手を揃え、スピーディーなパスとドリブルを中心としたサッカーで駒大に一矢を報いようとした。
 互角か、むしろやや押していたといってもいいだろう。だが、ボールはキープできても「キーパーの前、ニアで勝負することができなかった」。駒大に先制点を取られたあとは、昨年大会でも途中交代で結果を出したMF永瀬覚(3年=立正大淞南高)、FW大西徹(4年=高知高)を立て続けに投入。高知大にとっては“切り札”ともいえるふたりだったが、昨年のような効果を出すことはできなかった。

 対する駒大には、総理大臣杯三連覇を遂げた02年~04年のような強さが戻りつつある。ワンチャンスを生かし、1本の決定的なパスで点を取る力に加え、今年は春先から主将・金正也(4年=神戸科学技術高)を中心としたディフェンス陣が好調。この試合でも「足元にボールが入ったときは粘っこく。前にボールが入らないように、その前でプレッシャーをかける」(駒大・秋田浩一監督)との戦い方が功を奏し、高知大に決定的なシーンをつくらせなかった。「1-0だったら、終盤は押されるのが常。サイドからの攻撃に対する守備は、試合前にも相当言っていたので心配はなかった」。また、決勝点をアシストした左サイドハーフ・金久保が調子をあげているのも好材料だ。

 ここ数年、出場しても準々決勝で敗れるという結果が続いていただけに「今日の試合がヤマだと思っていた」と秋田監督。久々となる準決勝では、「仙台の前線は早くてうまいので、もう少し1対1やプレッシャーの部分でチャレンジする必要はあると思う。相手の攻撃を限定して、中盤で早く攻撃を仕掛けたい」。

<写真>駒澤大は金主将(右)中心に1点を守り4強進出
(取材・文 飯嶋玲子)

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