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[MOM93]駒澤大MF金久保彩(4年)_好調・駒大の牽引車

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.6 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準々決勝 高知大 0-1 駒澤大 堺NTC]

 好調・駒澤大の牽引車だ。MF金久保彩(4年=花咲徳栄高)は関東1部リーグ戦では開幕から4戦連続でゴールをマークし、前期2位という成績に大きく貢献。以前から豊富な運動量とテクニックの確かさには定評があったが、今年はそれに“勝負を仕掛ける”力が身についた。

 決勝点に結びついたFW棗佑喜(4年=丸岡高)へのパスがそのいい例だろう。逆サイドの裏に通す、距離のある難しいコース。だが金久保は「前半はオフサイドになっていたけど、棗がけっこう裏に抜けていると思った。そこでちょっと息が合ってるな、と感じて」勝負に出た。棗の足元に収まったボールは、秋田浩一監督が「びっくりした。棗のゴールとは思えない」というほど完璧なシュートにつながった。本人は「たまたま通っただけ。棗がいい動きをしてくれた」と笑うが、ワンチャンスを確実にモノにするという駒大の攻撃の、お手本といえるプレーだ。

 だが、昨年までは交代出場が多かったせいもあり「試合の流れを読むことができなくて、自分の持ち味を出すことができなかった」と金久保。今年は駒大の攻撃の要である縦パスの精度を強く意識することで、自分の特徴をうまく活かすことができるようになった。また、「碓井(鉄平)がけっこうさばけるから、ボールを預けて前に出て行ったり。棗が競ったあとのサイドからのクロスも意識している」と、これまで以上に多彩な攻めでゴールに絡む。

 ここ数年、流通経済大や明治大に関東王者の座を明け渡しているが、かつて関東で“強豪”といえば駒大のことだった。なかでも総理大臣杯とは相性がよく、02年~04年に達成した3連覇と、4大会連続での決勝出場という記録は未だ破られていない。今大会で、かつてのような“強豪・駒大”の復活はなるのか。駒大復権の命運は、金久保彩の双肩にかかっている。

(取材・文 飯嶋玲子)

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