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目標への基準学び、成長続ける日大藤沢が東山に1-0勝利。強豪連破し、和倉ユース決勝進出!

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日大藤沢高が激闘を制し、決勝進出

[8.9 和倉ユース準決勝 東山高 0-1 日大藤沢高 城山陸]

 ユース年代最大級のサッカーフェスティバル、石川県ユースサッカーフェスティバルが今夏も石川県を舞台に開催されている。そのトップカテゴリーに当たる和倉ユースサッカー大会は9日午後、準決勝を行い、第2試合では東山高(京都)と日大藤沢高(神奈川)が対戦。日大藤沢が1-0で勝ち、青森山田高(青森)との決勝へ進出した。

 インターハイ出場校同士の対戦となった第2試合。今大会、インターハイ準優勝校の帝京高(東京)やプレミアリーグ勢の市立船橋高(千葉)などを破った東山と、大津高(熊本)、流通経済大柏高(千葉)のプレミアリーグ勢とインターハイ8強・矢板中央高(栃木)をいずれも無失点で下して勝ち上がってきた日大藤沢が決勝への切符を争った。

 試合は注目エースの圧巻ヘッドで動いた。前半9分、日大藤沢はMF小柴海生(2年)の左CKをファーサイドの198cmFW森重陽介(3年)が抜群の高さのヘッドで叩き込んで先制点。佐藤輝勝監督が「大津戦とかこういう大舞台ではシゲ(森重)が獲る。大したもの」と賞賛した森重の一撃で日大藤沢がリードを奪った。

 前半は互いの攻守の切り替えの速さが印象的な戦いに。中でも攻撃の質が高い東山は、MF真田蓮司(3年)らが相手DF間を取る形で縦、斜めへとパスを通し、空いたスペースへ駆け上がる左SB仲里勇真(3年)がクロスへ持ち込んだ。また、コンビネーションからC大阪内定のU-18日本代表候補MF阪田澪哉(3年)が右足シュート。日大藤沢は好守でボールを奪うことはできていたが、なかなか繋ぐことができずに守勢の展開となった。

 その日大藤沢は後半、今大会取り組んでいる21年U-17日本代表候補CBアッパ勇輝(3年)を右SB、FW森重をCB、そしてFW有竹翔吾(3年)を前線へ配置するセットへ移行。ポジションを移したアッパと俊足MF岡西亜憐(3年)が右サイドからの崩しにチャレンジする。

 また、アッパはシュートブロックを連発し、絶妙なカバーリングも。ボールを支配して主導権を握ることを狙う日大藤沢は後半、前半に比べて繋ぐ時間が増えたが、東山の攻撃も迫力を増す。スピーディーなパスワークや阪田の突破力を活かした攻撃でゴールへ迫って来る。だが、日大藤沢はMF宗次柊磨(3年)とMF野澤勇飛(3年)のダブルボランチが切り替え速くスペースを埋め、高さを見せる森重やCB楠本爽(3年)が踏ん張り続けた。
 
 東山は後半24分、右CKの流れからCB志津正剛(2年)が頭で狙うも日大藤沢DF陣がゴールライン上でクリア。また、MF松橋啓太(3年)のロングスローからゴール前のシーンを作り出したが、日大藤沢はGK岡本亜鶴(3年)中心に守り続ける。

 30分ハーフの後半30分、東山はMF大谷彩斗(3年)のマイナスの折り返しからCB新谷陸斗主将(3年)が決定的な右足シュート。だが、日大藤沢GK岡本が指先で触れたボールは右ポストをヒットする。東山は終了間際のセットプレーでGK佐藤瑞起(3年)もゴール前に上げて執念の反撃。だが、1-0のまま試合終了の笛が鳴った。耐えた日大藤沢も、敗れた東山もピッチにひざをつくほどの本気の戦い。日大藤沢が勝利し、目標の優勝へ前進した。

 日大藤沢は全国トップクラスの強豪との対戦が続く中で6連勝。主将の岡本は「インターハイの県でも準優勝、関東(大会県予選)の時も準優勝が続いていた。勝ち切れないイメージがあった。でも、強い相手の中で、全勝でこれているのは成長を感じています。力強い声を出すとか、エネルギー持って臨むことをみんなやれているので、(無失点継続など)変えられている要因かなと思っています」と胸を張る。

 また、佐藤監督は「東山さん、めっちゃ良かった。(和倉ユースで)色々なチームとやれてありがたいです」とコメント。全国トップレベルの基準を体感し、「もっともっと個性が出せるように。もっと崩しを洗練させて守備はもっとプレッシャーも掛けられるように」と求める。インターハイは好チーム・丸岡高(福井)との初戦で繋ぐことを徹底できずに逆転負け。「選手権に全てを懸けている」(岡本)チームは敗戦を糧にエネルギーを持って和倉ユース大会に臨み、白星を重ねながら目標への基準を学び、成長を続けている。

 決勝の対戦相手はプレミアリーグ勢で、和倉ユース2連覇中の青森山田。岡本は「自分たちがパス回して、回し倒すつもりで、相手よりも自分たちの土俵で戦えるようにしたい」と意気込んだ。和倉ユースでもう1試合学び、成長して、目標の選手権出場、日本一に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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