beacon

[MOM3974]日大藤沢GK岡本亜鶴(3年)_気合と集中力が生んだ終了間際の“神セーブ”

このエントリーをはてなブックマークに追加

日大藤沢高GK岡本亜鶴主将(右)がビッグセーブでチームを決勝へ導いた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.9 和倉ユース準決勝 東山高 0-1 日大藤沢高 城山陸]

 30分ハーフの後半30分、主将の“神セーブ”が日大藤沢高(神奈川)を救った。東山高(京都)は右サイドでのパス交換からマイナスの折り返し。CB新谷陸斗主将(3年)の渾身の右足シュートがゴール右上隅を捉えた。だが、日大藤沢GK岡本亜鶴主将(3年=FC川崎CHAMP Jrユース)が反応。クロスするように突き出した右手の指先でボールに触れると、ボールは右ポストを叩いて右へ外れた。

 背番号1はガッツポーズ。そして、「あれはもう『気合』ですね。絶対に失点できない状況でしたが、恐怖よりもワクワクしていたので。『止めてやるよ』という感じでした。(それまで)マイナスに入ったのがあまりなかったのでちょっと焦りましたけれども、いつも練習からこだわっているので何とか触ることができました」とビッグセーブを振り返った。

 東山は前半から質の高い攻撃を続け、ラストパスまで持ち込んできていた。だが、岡本はCBアッパ勇輝(3年)らDF陣のサポートも受けながら無失点を維持。エースFW森重陽介(3年)の圧巻ヘッドで挙げた1点を守り抜いた。

 U-17日本代表歴を持つアッパが、「後ろから声を掛け続けてくれて、GKとしても、キャプテンとしても頼もしいと思っています」と信頼を口にする主将。森重やアッパに比べると知名度に欠けるが、佐藤輝勝監督やチームメートからの厚い信頼を受けてゴールを守り続けてきた大黒柱だ。

 常にチームの勝利が最優先。その上で「大きい大会で自分のプレーでチームを勝たせられれば自分の注目度も上がると思うので、本当にこの大会、どの試合もマックスの集中力で臨んでいます」と微笑む。

 この日は勝負どころでその集中力を発揮。チームを勝たせた岡本は気合と集中力で守った1本を喜んだ一方、「みんなが一つになろうというのがある。『一体感』『一体感』と言っているのでそれで守れたと思います」と仲間たちへ感謝することを忘れなかった。

 これで大津高(熊本)、流通経済大柏高(千葉)、矢板中央高(栃木)、東山と強豪相手に4試合連続無失点。青森山田高(青森)との決勝もチームメートとともに一体感を持って戦い、無失点で勝って参加48チームの頂点に立つ。

(取材・文 吉田太郎)

TOP