beacon

「絶対に2連敗はない」。青森山田がサイド攻撃、セットプレーで得点重ね、日大藤沢に4発リベンジ

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半6分、先制点を決めた青森山田高FW武田陸来(右)がアシストの左SB西脇虎太郎と歓喜の抱擁

[8.15 U-18青森ユースフェスティバル3位決定戦 日大藤沢高 1-4 青森山田高 カクスタ]

 15日、第1回U18青森ユースサッカーフェスティバル3位決定戦が行われ、青森山田高(青森)が4-1で日大藤沢高(神奈川)に快勝。3位で大会を終えた。

 青森山田の長身左SB西脇虎太郎(3年)は「3決という形にはなったんですけれども、日藤には和倉(ユース大会)の決勝で負けているので、『絶対に2連敗はない』ということをチーム内でミーティングして臨みました。絶対に負けたくないという気持ちがあった」と説明する。和倉ユース大会決勝でPK戦の末に敗れている難敵に対し、得意とするサイド攻撃、セットプレーから4発リベンジ。9月4日のプレミアリーグ再開へ向け、前向きな白星で大会を終えた。

 青森山田は前半6分、左サイドのMF高良幸之介(3年)がドリブルで中へ運び、MF川原良介(2年)が外へ展開。これを「自分は攻撃参加が得意。今回はラスト1試合なのでどんどん前に係わってチャンスを作れたらなという思いで試合に入りました」という西脇がエンドライン際から左足クロスを上げる。

 最後はファーサイドのFW武田陸来(3年)が頭で合わせて先制ゴール。西脇は「山田はサイドで崩して中で点を獲るという攻撃だと思っているので、自分もサイドハーフとしっかりと良い形を作って、良いボールを配球するというのが仕事。(また)左足のクロスは武器だと思っているので点に繋がって良かったと思います。奥まで入った時はGKを越えて武田というのを自主練から何度もやっていたので、練習通りに武田目掛けて蹴りました」。狙い通りの形によるゴールでリードを奪った。

 だが、日大藤沢もすぐに追いつく。8分、198cmCB森重陽介(3年)の縦パスを起点とした攻撃から、左SB尾野優日(2年)がピンポイントクロス。これをMF岡田生都(2年)が頭で叩き込み、同点に追いついた。

 この後、青森山田は高良とMF奈良岡健心(3年)の両ワイドの仕掛けや西脇の攻め上がり、セットプレーからゴール前のシーンを連発する。だが、CB三橋春希(3年)が前半だけで3本のヘッドを打ち込むなどシュート数を増やしながら、2点目を奪うことが出来ない。

 GK岡本亜鶴主将(3年)中心にゴール前で堪えた日大藤沢も反撃。相手のハイプレスに怯まず、MF野澤勇飛(3年)がボールに多く係わりながら繋いで前進する。そして、FW有竹翔吾(3年)の突破やサイドからの崩しでゴールへ迫った。

 互いに攻め合う中、次の1点を奪ったのは青森山田の方だった。後半1分、高良の右CKに身体を投げ出した三橋が、右足ダイレクトで合わせる。この一撃がゴールに突き刺さり、勝ち越し。青森山田はMF芝田玲(2年)とMF小野理竜(3年)が保持する時間を増やしながら追加点を目指す。

 そして18分、左サイドから攻めて高良がシュート。こぼれを拾った奈良岡が右足のコントロールショットで決めて3-1とした。日大藤沢は森重を前線に上げて反撃。だが、青森山田は三橋、小林康人(3年)の両CBが前への強さを見せたほか、右SB渡邊来依(3年)が球際で激しい守備。相手の反撃を封じ、アディショナルタイムには芝田の左CKを三橋が頭で決めて勝利した。

 2得点の三橋は初戦敗退したインターハイについて、「プレス、守備のところ、最後まで走り切るところがダメだった。(そこから)もう一回全員で立ち上がろうとやっていました」と振り返る。今大会は準決勝で2失点。3位決定戦でも先制直後に失点と課題も残ったが、怪我人が多い中でハイプレスをやり切って快勝した。

 その中で強さと運動量を発揮した西脇はプレミアリーグへ向けて、「前半戦は5連敗後に最後3位まで上がってくることができたので、チーム一丸となって戦って、後半戦は一つでも上の順位、1位を狙って行けるようにチーム全体で頑張っていきたい」と力を込めた。そして、「(個人としてはJクラブのSBに)強さでは絶対に負けたくないですし、運動量の面でも1試合通してどのSBよりも走り切って、チームに良い声がけをし続けられるSBに」。夏に磨いてきた部分を発揮し、プレミアリーグで白星を重ねる。

(取材・文 吉田太郎)

TOP