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悩み、苦しんだ首位・鳥栖U-18が7試合ぶりに白星をもぎ取る!初のプレミア制覇へ前進

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サガン鳥栖U-18は1-0で勝利。MF坂井駿也は守備を安定させて完封勝利に貢献

[11.27 高円宮杯プレミアリーグWEST第21節 東福岡高 0-1 鳥栖U-18 東福岡高G]

 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2022WESTは27日に、第21節を実施。9位の東福岡高(福岡)と首位のサガン鳥栖U-18(佐賀)による一戦は、DF大里皇馬(3年)の決勝ゴールによって鳥栖が1‐0で勝利した。

 前期から順調に勝ち点を積み上げ、首位を走った鳥栖だったが、後期に入ってからは苦しい試合が続いた。第17節の清水ユース戦では3度のリードを活かせず、3-3のドロー。続く名古屋との2試合やG大阪との一戦では試合終盤の大量失点が響き、黒星を喫した。いずれも鳥栖らしい前からのアグレッシブな守備とテンポの良いパス回しを披露しながらも、落とした試合。この試合を迎えるまで6試合未勝利だった。MF坂井駿也(3年)は、「勝てない試合が続き、どう戦えば勝てるのか本当に悩む時間が多かった。ゲーム自体は自分たちが先制したり、良い進め方ができていたのに、最後の所で隙が出た。日常生活までも考えさせられた」と振り返る。

 浮上のきっかけを掴むため、前節のC大阪U-18(大阪)からはボランチの坂井が最終ラインに入り、5月に怪我をしてからスタメンを外れていたDF竹内諒太郎(3年)と共にCBを組んだ。序盤は2人が相手のSBの背後を狙って、長いボールを展開。受けたMF増崎康清(2年)とMF木戸晴之輔(3年)の両翼がSBの攻撃参加を交えながら、サイドから見せ場を作った。前半9分には早速見せ場を作り、右サイドを駆け上がったDF山本楓大(3年)が右CKを獲得。DF今村元紀(3年)がゴール前に入れたボールを大里が合わせ、鳥栖が先制した。

 1点を奪ってからも、MF堺屋佳介(2年)らが中盤でセカンドボールを拾って東福岡を押し込んだ。26分には、右からのクロスを増崎がゴール前でキープすると、こぼれ球を拾った堺屋がゴールを狙ったが、東福岡GK須田純弥(3年)の好セーブでCKに。33分には竹内が右前方に入れたサイドチェンジから、増崎がシュートを放ったが、2点目が奪えないまま1-0で試合を折り返した。

 苦しい展開が続いた東福岡は後半に入り、軌道修正。低い位置でボールに触る回数を増やしたMF下川翔世(3年)や、前向きでのボール奪取を続けたDF園文来(3年)からサイドに展開し続けた。交代で入った左のMF吉岡拓海(2年)も積極的に縦を仕掛けたが、中へのボールは鳥栖の守備陣が落ち着いて跳ね返し続ける。守備を支えた坂井は、「潰す作業や、競り合いのヘディングでは負ける気がしない。目の前の相手に勝つということだけを意識していました。後半はパーフェクトだったかなと思います」と振り返った。

 我慢の時間を凌いだ鳥栖は終盤に入り、U-19日本代表のMF福井太智(3年)を投入し、巻き返しに出た。後半34分には右中間でボールを受けた福井がPA右にスルーパス。走り込んだ堺屋のパスから打ったMF松岡響祈(3年)のシュートは、須田が足でブロック。こぼれ球を山本が押し込もうとしたが、素早く起き上がった須田に阻まれた。結局、試合はそのまま動かず1-0で鳥栖が勝利した。

「勝てたことに対しては良かったけど、もっともっとボールを持ちたい。相手を圧倒してボールを動かしていきたい」。坂井は試合後に反省を述べたが、勝って苦境を脱したこと意味は大きい。田中監督は「今日の試合で課題が解決したかは分からない」と前置きした上で、「みんな最後勝ち切るところに徹したと思う。それが自分たちのメンタルを直す一番の薬だと思っていた。そういう意味ではよく頑張ってくれました」と続けた。

 苦しかった6試合を乗り越え、7試合ぶりの白星。消化試合の1試合少ない神戸U-18との勝ち点差は3、得失点差は6と優位な状況だ。初のプレミア制覇は目の前に迫っている。「最終節で勝ってファイナルに行きたい。そこでも勝って、色々サポートしてくださった方々や保護者の方々に結果で恩返ししたい」。坂井がそう意気込んだ通り、鳥栖の選手たちはプレミアファイナルも含め、あと2回白星を掴むことしか考えていない。

(取材・文 森田将義)
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