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[MOM4123]鳥栖U-18DF大里皇馬(3年)_トップ昇格CBがFW起用に応える!決勝点決め、身体張ったキープも

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サガン鳥栖U-18DF大里皇馬はFW起用に応えて決勝点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.27 高円宮杯プレミアリーグWEST第21節 東福岡高 0-1 鳥栖U-18 東福岡高G]

 CBながらも、背番号11を背負うのはFWを務めていた昨年までの名残。来季からのトップチーム昇格が決まっているサガン鳥栖U-18DF大里皇馬(3年)がリーグ終盤戦での再転向で、期待に応える活躍を披露した。
 
 今季初めに新チームが立ち上がったタイミングで、FWからCBにコンバート。プレミアリーグでのプレーを見ると、屈強なフィジカルを活かしたボール奪取は、転向したばかりとは思えないほど様になっていた。

「自分は攻撃をやっていたので、どこでボールが欲しいか、どういうプレーをして欲しいかがある程度分かっているつもり。ボールを持った際は自分が守備をやっている時にされたらいやなプレーを相手にするというのを心がけてもいます。それを毎試合出せるよう心掛けています」。前向きでボールを奪ってからの持ち運びも、DFとしての大里の売りだ。

 今季はずっと新たなポジションでの起用が続き、FWに入るのは前節のセレッソ大阪U-18戦など試合終盤にゴールが欲しい場面のみ。だが、迎えた今節の東福岡戦では「前線に高さや強さが欲しかった。大里のフィジカルという所を出して欲しいと思って、使いました」(田中智宗監督)と試合開始とともに最前線に入った。

「自分のストロングポイントはフィジカルやヘディングで逸らすこと。そこだけは負けないように頑張ろうと思っていた。あとは周りに上手い選手がいっぱいいるので、そこに預けて、自分はクロスに入っていこうと思っていました」。そう振り返る大里は試合序盤からターゲット役として前線で奮闘を続ける。

 最初の見せ場が訪れたのは前半9分。DF山本楓大(3年)のオーバーラップで右CKを獲得すると、MF坂井駿也(3年)がゴール前に浮き球を展開。ファーに流れたボールを大里がダイレクトで合わせて、均衡を崩した。

 今節までに奪った6ゴールはリスタートがほとんどで、得意とする形。7ゴール目がこの試合の決勝点となった。ヒーローの大里は「セットプレーは自分の強みでもあった。中の人たちも自分が空くように動いてくれたし、良いボールも上げてくれた。みんなの力でとれた1点かなと思います。自分の1点で勝てたのは凄く嬉しいです」と笑みを浮かべた。

 大里がFWに入ったプラスが色濃く出たのは、ボール保持率を高めた東福岡に押し込まれる時間が続いた後半に入ってから。味方がクリアしたボールを前線で身体を張ってキープし、ラインを押し上げる時間を作った。「相手が勢い持ってクロスを上げたり、前が速い攻撃を仕掛けてくる中、ちょっと無理なボールでも自分が収めることで、相手の流れを止めて、守備で疲れている味方の選手たちの息を1回戻そうと意識していました」と振り返る。

 チームにとって勝利は7試合ぶり。優勝に近付くだけでなく、良い試合をしながらも勝てずにいたチームにメンタル面でもたらす影響は非常に大きい。「前期勝てていた時と比べて、自分たちの自信もなくなっていたので、どこかでギアを上げたかった。田中監督を含めスタッフの人たちからもどこかで勝ち点3を掴み取ろうと言われていた。今日勝ってチームとしての意識や自信が良い方向に持って行ければと思っていたので、ホッとしています」。

 残るは最終節のみ。2位の神戸U-18(兵庫)は消化試合が1試合少なく、まだまだ予断を許さないため、優勝するためには再び白星が必要になる。大里は「次も今日みたいにみんなで声を出し合って、チーム一丸となって走って、サガン鳥栖らしいプレーをして、勝ち点3を掴みたい」と意気込んだ。

(取材・文 森田将義)
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