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[MOM4125]静岡学園DF行徳瑛(3年)_ローマとの“プロデビュー”戦翌日に決勝ヘッド!

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後半20分、静岡学園高CB行徳瑛主将(3年=静岡学園中出身)が決勝ヘッド

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.26 高円宮杯プレミアリーグWEST第21節 履正社高 2-3 静岡学園高 履正社茨木グラウンド]

 わずかな時間ではあったものの、高校生CBが世界を体感。その翌日に決勝ゴールを決めた。静岡学園高CB行徳瑛主将(3年=静岡学園中出身)は2-2の後半20分、MF 高橋隆大(3年)の上げたクロスを頭でゴールへ突き刺し、決勝点。「隆大は上げる力があるので、入り込んで良いボールが来たので、そこはしっかり自分の良さを出して点を獲りました」と微笑んだ。

 行徳は、この試合前までにプレミアリーグWESTで6得点。うち5得点がヘディングシュートによるものだった。セットプレーの強さはリーグトップクラスで当然、履正社高DFも徹底的にマーク。セットプレーになると、キッカーがボールをセットする前から行徳にピッタリと張り付いて、ポスト方向に押しやるなど自由な動きができないようにしてきていた。

 それでも、行徳は「(プレミアリーグの)後期入ったら普通に2枚付かれたり、3枚の時もあって厳しくなっていたんですけれども、きょうはその後のセカンドで入り直して上手く剥がせたなという感じです」。セットプレーでクリアされてもポジションを取り直し、マークを外してクロスから決勝ヘッド。川口修監督も「(行徳の)点を獲る感覚良いよね。ヘディングも、CKも良いボール来たら決めるから。CBで点を獲ると魅力あるし、それはアイツあるから武器になる」と称賛していた。

 前半からビルドアップの中心となり、リードした後は相手の攻撃をCB黒澤翔太(3年)とともに跳ね返し続けた。この1週間で4試合目。コンディションは万全ではなかったものの、選手権有力校からの白星に大きく貢献した。

 行徳は20日の磐田U-18戦後に内定先の名古屋へ練習参加。23日の清水ユース戦後に再び名古屋に合流し、25日の「EUROJAPAN CUP 2022:名古屋vsASローマ」にベンチ入りした。そして、後半44分から初出場。「緊張はゼロでワクワクしながらピッチに入りました」という行徳はロングボールで競り勝ったり、クロスを跳ね返したり、ドリブルで運んでボールをつけたりと短い時間で自分のプレーを表現した。

 ジョゼ・モウリーニョ監督率いるローマとの“プロデビュー戦”で本人の印象に残った一つがセットプレー。「セットプレーの時、(元イングランド代表の194cmDF)スモーリング選手が真ん前で、迫力や強さが圧倒的でした」。そして、13,383人の観衆が集まった豊田スタジアムでの試合を「初めてグランパスの試合に出させてもらって、スタジアムの雰囲気だったり本当に楽しくできました。声出しは無かったけれど雰囲気は感じられて、お客さん、サポーターのいる中でプレーできて良かった」と振り返った。

 練習を含めてレベルの高い名古屋の選手たちとプレーできたことは楽しく、刺激に。守備面など、まだまだ成長しなければならないと実感している。「日々の練習をもっとやって自分を伸ばして試合に絡んでいけるようにしたいです」と行徳。そのCBは、貴重な経験をした翌朝に愛知から大阪へ移動し、フル出場で静岡学園を勝利へ導いた。

 世代屈指のCBは選手権に出場していれば注目されていたはずだが、予選敗退。次戦のプレミアリーグWEST・神戸U-18戦が中高6年間を過ごしてきた静岡学園でのラストゲームとなる。「最終節、チームとしても、個人としても、良いプレーをやって、来年のシーズン開幕へ向けてやっていきたい」。「名古屋vsローマ」の経験も活かし、勝って次のステージへの新たな一歩を踏み出す。

(取材・文 吉田太郎)
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