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インハイで3発。矢板中央FW若松優大は大学で「個人でも、チームでもレベルアップしてプロになれるように頑張ります」

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矢板中央高FW若松優大は大学での成長を目指す

 矢板中央高(栃木)は、2022年のインターハイで初のベスト8進出。11回目の出場で一つ壁を破った。また、激戦区のプリンスリーグ関東1部でも7位。選手権は、PK戦の末に予選敗退となったが、伝統の堅守、迫力のある攻撃、セットプレーの強さを今年も高いレベルで発揮した。FW若松優大(3年)は前線の要としてインターハイで3得点の活躍。身体を張ったポストプレー、献身的な守備、そして得点感覚の高さを全国舞台で発揮した。その若松がFWとしてのこだわりや矢板中央での3年間、将来の目標、またミズノから5年ぶりに発表された新作サッカースパイク「MIZUNO α(ミズノ アルファ)」を試履きした感想などについて、コメントした。

―普段、着用しているスパイクは?
「普段はモレリア2ジャパンの白のノーマルステッチというやつで。中3からずっと履いているので、タッチしやすくてそれで気に入りました」

―天然皮革を好んで履いている。
「やっぱり自分に合った足の形になるので」

―以前、人工皮革のスパイクは履いたりしていた?
「中1、中2の時は人工のやつを履いたりしていました。でも、履いていたスパイクがモデルチェンジしてあまり合わなくて、モレリアにしました」

―「MIZUNO α(ミズノ アルファ)」のフィット感について教えて下さい。
「人工なんですけれども窮屈な感じもなくて、割と自分足広なんですけれども、苦しくないので。ボール触ってもタッチしやすかったです」

―自分がスパイクに軽さを求める部分はある?
「あります。小回りというか、ちょっとしたステップを踏む時に鉄ピンとかだと重くて足回らない時もあるんですけれども、足軽いと細かく動きたいとか動きやすいので軽さは大事ですね」

―インターハイ活躍できた手応えがあるのでは?
「個人としては3点。もう少し決められた部分もあるんですけれども、まず初めての高校での全国大会で3点は少し満足できる部分もあります」

―特に良かったところは?
「矢板中央のFWとなるとロングボールを入れて収めたり、そらしたり、起点になるプレーが大事なんですけれども、インターハイではそらすのも、自分で収めて時間を作るのもできたので、守備の時間が長かったんですけれども、そういうことができたから攻撃の時間もちょっと増やせたかなと思います」

―ゴール前での怖さもあった。
「クロスの入り方とか結構こだわっていたので、怖さは結構出せたかなと思います」

―細かく選手交代するチームの中で、出場時間を確保できていることも信頼の証。
「本当に難しいんですけれども、ずっと出るのは。毎週毎週自分が良いコンディションに持って行けるように、サッカー以外のところで色々やったりしているんで、それのお陰かなと思います」

―エースと言える活躍だった。
「まだ自分は呼ばれる活躍ができている気はしていないんですけれども、徐々に最近だと自分が点を獲らないと、自分が勝たせたい、という気持ちが強くなっています」

―シーズン前と現在では気持ちの持ちようが違う。
「全然違いますね。今の方が強いです」

―シーズン前はどうだった?
「シーズン前は上手くいかない時期が続いちゃって、途中から出るのが増えたんですけれども、流れを変える意味での交代なので、そこにまず意識してやっていって、そうしたら結果が出せて、そこから上手くいったという感じです」

―先発出場の機会も増えた。
「プリンスは基本的に後半頭とか前半途中とかが多くて、インハイはたまたま自分のコンディションも良くて、ゲーム時間も短かったので前半から行くという意味も込めてスタートから使ってもらいました」

―ストライカーとしてのこだわりについて教えて下さい。
「ゴール前でここにいて欲しいというところに顔を出せるようにしたくて、クロスボールもウチはファーに入れて折り返しとか言われているんですけれども、そのファーに行くボールも良いんですけれども、自分がミドルとかで叩けたら一発で点なので、自分一人の質で獲ることにはこだわっていますね」

―ポジショニングも良い。
「クロスの入り方はかなり考えて、たとえば左サイドにボールがあるとして、右利きのクロッサーだとインスイングで上げるじゃないですか。それってゴールに向かって行くボールなので、一回相手の前に入る。それでクロッサーが蹴るなと思ったら膨らんで相手の裏入って、それで落下地点に入って行く感じが結構多いですね」

―ポジションはずっとFW?
「中学からずっとFWです」

―FWというポジションは?
「華があるじゃないですか。矢板中央だと守備からなんでキツいところもあるんですけれども、それでも華があるので楽しくてやっていけますね」

―守備も楽しくやっている。
「ここに来て守備で走るのがあんま苦しくないというか、当たり前なんですけれども、あまりマイナスに思うことはないです」

―今後、どういうFWになりたい?
「海外でいうとハリー・ケインが好きで、日本だと鈴木優磨選手とかが好きで収めたり、点も獲れるんですけれども、どこか自分をおとりにしてアシストとか、ちょっと落ちてきてポゼッションに参加したり、マルチにできるタイプが良くて、自分は特別足が速かったりもしないので、裏抜けも大事なんですけれどもそういう部分で違いを出せていければ良い」

―現在の姿は?
「まだ平均値は全然低いんですけれども、少しずつは近づいているかなと思います」

―インターハイ課題になったところは?
「自分たちよりも格上とやることが多かったので、苦しい時間が多くて、守備に走るのは当然なんですけれども、奪ったあとすぐ相手に回収されちゃってなかなか攻撃できなかったので、そういう相手が少し上でも自分一人でどうにかするとか、ボールタッチとかそういう課題を見つけたので、取り組んでいます」

―きょうはカウンターで走り切るトレーニングをしていた。
「凄く大事です。最後の一発走っても、しっかり体幹残って決まらないと勝てないので、ああいうのも一本一本こだわっていかないといけない。(このトレーニングは)下半身がなかなか鍛えられます。対人プレーとかは得意なので、軸を残してなんかするというのは持ち味だと思っている。自信はあります」

―矢板での3年間を振り返ると?
「寮生活しているんですけれども、楽しんですけれども、やっぱり苦しいことも多くて、凄く自分たちの代は仲が良いんですよ。だからキツい練習とかあってもお互いで支え合っていけるので、辞めたいとかいうのはないです。苦しくても楽しいというのがある」

―将来へ向けて。
「(関東の大学へ進学。)関東にいるチームだったら個人で頑張っていればプロにかかることもあるので、そこは本当に今以上に自分を見つめ直して、個人でも、チームでもレベルアップしてプロになれるように頑張ります」

(取材・文 吉田太郎、10月取材)

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