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中体連出身、推進力と左足魅力の大型左WB。明秀日立DF斉藤生樹が茨城新人戦決勝で大きな可能性示す

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明秀日立高の大型左WB斉藤生樹(2年=北茨城市立中郷中出身)は推進力のあるドリブルと左足でチャンスを演出

[2.1 茨城県新人大会決勝 明秀日立高 7-0 境高 ト伝ノ郷A]

 茨城県高校新人戦決勝で一際目立っていたのが、明秀日立高の左WB斉藤生樹(2年=北茨城市立中郷中出身)だ。181cmで推進力、左足にも自信を持つ大型サイドプレーヤー。「左足の精度と縦への突破が武器。三笘薫選手を尊敬していて、三笘薫選手を参考にして縦突破やテクニックをトレーニングしています」という斉藤は、前半からダイナミックな縦突破と左足クロス、スルーパスで明秀日立の攻撃の中心になっていた。

 初戦で負傷し、その後の試合を欠場。この日が復帰戦だった。それでも、前半18分にDFを外側から抜き去って左足クロス。FW石橋鞘(2年)の先制ヘッドをアシストすると、その後もボールが集まって来る中で左足キック、ドリブルでチャンスに絡む。

 強引に抜きに行ってボールロストするシーンもあったが、ストライドの大きなスプリントを活かした縦突破や、中へ潜り込む動きにチャレンジ。後半6分、強烈な左足ミドルで4点目を演出すると、10分にも左サイドの崩しに係わり、6点目を演出した。

「(離脱後、)コーチとかにも別メニューとかで支えてもらって。自分的には納得していないですけれども、得点できなかったけれども、アシストなどチームに貢献できたので良かったです」。対戦した境高がこの日2試合目だったのに対し、準決勝が不戦勝だった明秀日立は1試合目。相手の疲れがあったことも確かだが、今後が楽しみなパフォーマンスだった。

 萬場努監督は「持っているポテンシャルは大きいし、速いし、左利きなので。中学校から片鱗がありました」と説明する。逆足の「右」はまだまだ課題で粗さもあるが、指揮官はまず強力な「左」などの武器を伸ばす指導方針。スケール感の大きな選手になることを目指す。

 明秀日立は昨年の関東高校王者。Jクラブアカデミー出身の選手もいる中で、中体連チーム出身の斉藤は苦労もしたという。「まずは積極性とかが全然なくて、みんなに結構言われていたんですけれども、自分でやろうとしなかったり、少し怖がっていた部分がありました」。だが、日常の競争や関東Rookie Leagueで強豪校との対戦を重ねる中で変化。現在はトレーニング、対外試合で積極性に自分を出せるようになってきている。

「観客を沸かせたい」という斉藤はシザースからのドリブルなど、技術力向上やより強みを発揮するためのバリエーション増加を目指している最中。「自分は中体連だったから、まだ経験が足りないと思うので、ここからもっと頑張って大学とかでもアピールしてプロになれたらいい」。活躍するための要素にも向き合いながら、努力を重ねてブレイクする。

(取材・文 吉田太郎)

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