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W杯に出場した先輩の活躍も刺激。第一学院のエースFW九頭麗央「得点を量産してチームを勝ちに導きたい」

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第一学院高は県新人戦3位。FW九頭麗央(2年=石岡アセンブルFC出身)はこれからの公式戦でゴールを量産する

[2.1 茨城県新人大会準決勝 境高 1-0 第一学院高ト伝ノ郷A]

 第一学院高は相手の2倍以上にあたるシュート18本を放ちながら無得点。悔しい敗戦を「新・第一学院が4つの壁を破れるように」(高橋秀弥監督)という目標へのエネルギーにする。

 前半、MF廣瀬詩音(2年)がドリブルで右サイドを2度3度と打開し、シュート。強度の高さを特長とするチームは高い位置でボールを奪い、10番MF辻龍之介(2年)や左SB鈴木翔太(2年)が違いを生み出すような動きを見せていた。

 個の力やグループで局面を打開し、シュート数を増加。だが、指揮官が「丁寧にやりすぎた」と指摘したように、攻撃に時間をかけてしまうシーンも多く、相手に守備の準備時間を与えてしまっていた。

 構えられた中でもチャンスは作っていたものの、シュートの精度を欠いてしまい、無得点。チームリーダーのCB岩崎優人(2年)、フィジカル能力の高いCB落合凌央(2年)を中心としたDF陣もほぼ隙を見せずに守っていたが、後半終了間際にわずかな対応の遅れから失点し、3位で新人戦を終えた。

 涙を流す選手も。チームはこの悔しさを次にぶつける。巻き返しを誓っていたのが、182cmの大型FW九頭麗央(2年=石岡アセンブルFC出身)だ。今大会は初戦から3試合連発も、その後体調を崩して復帰したばかり。大学関係者も注目するストライカーはスピードを活かした裏抜けやポストプレーを得意とするが、「きょうは体に力が入らなくて」自分が仕留めるよりもDFを引き付けることに重きを置きながらのプレーとなった。

 高橋監督は九頭について、「身体はめちゃくちゃ高いです。運動能力も高い」とコメント。測定値は大学生のトッププレーヤーにも引けを取らないという。本人が自信を持っているのはスピードと跳躍力。指揮官が「(入学時に比べると)凄く成長して、ハートの面も、スプリットの面も、総合的に上がってきた」というストライカーは、よりレベルアップして本格的なシーズン開幕を迎える。

 第一学院は2014年度に選手権初出場。12年にはプリンスリーグ関東2部に在籍していたが、その後、一時部員が12名にまで減った時期があったという。県3部、2部、1部と一歩ずつ這い上がり、今年は県4強以上で勝負できるチームになりつつある。

 指揮官によると、今回の県新人戦で出場できなかった転入生や下級生にも力のある選手がいる模様。九頭は、「(今年の第一学院は)強いと思います。もっと前線の決定力を上げていけば(結果も)上がっていくと思います。もっと前線が頑張って(全国へ)連れていきたい」。次は攻撃陣が必ずチームを助け、4強超えにチャレンジする。

 昨年、OBの日本代表DF山根視来(川崎F)がワールドカップに出場。九頭は「(刺激に)なっています。この学校からも凄い選手が出ているので。もっと自分でゴールを狙って得点を量産してチームを勝ちに導きたいです」。強力FWは先輩のようにチャンスを掴み、上のステージで活躍することも目標。チームとともに結果を残し、その可能性を広げる。

(取材・文 吉田太郎)

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