beacon

選手権優秀選手の東山CB志津正剛が京都決勝で先制ゴール。先輩CBのように「もっと落ち着かせていけたら」

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半24分、東山高CB志津正剛(2年=プルミエール徳島SC出身)が先制ゴール

[2.5 京都府高校新人大会決勝 東山高 1-1(PK5-3)京都共栄高 たけびしスタジアム]

 選手権優秀選手のCBが先制点を叩き出した。東山高は前半24分、左ロングスローから、最後はCB志津正剛(2年=プルミエール徳島SC出身)が「自分のところにこぼれてきたので、あとは当てるだけでした」とゴールへ押し込む。

 ミスを挽回する一撃だった。前半13分、京都共栄高の攻撃に対応した際、バックパスがショート。奪われてピンチを招いていた。「自分がピンチ作った分、自分が点を取って返したいと思っていたので、点取れて良かったです」。選手権準優勝の先発メンバーで唯一の2年生。今年はチームリーダーの一人となるだけに、自ら挽回できたことにホッとした様子を見せていた。

 この日、志津は正確な左足フィードで先制点に繋がるスローインも獲得。自陣では落ち着いた対応で相手の攻撃を封鎖していた。周囲の支えもあり、経験値の高さを活かした動き。「(チームの柱として)意識しているけれど、周りのみんなが助けてくれたり、去年と変わらずにやってくれているんで、伸び伸びではないですけれども意識しすぎることはないので良いかなと思います」。新チームになって役割も、パートナーも変わった。改めて感じているのは、隣でプレーしていた先輩CB新谷陸斗(3年)の存在の大きさだ。

「去年、陸斗君がやってくれていた落ち着かせるとか、自分がやっていかないといけないと思うので、これから練習してもっと落ち着かせていけたらいい。延長とかなかなか前に攻めていけなかったりして苦しい時間が続いたんですけれども、そういう時に陸斗君やったらどう声を掛けるかと思いますし、自分もそうならないといけないと思いました」

 福重良一監督が志津に求めるレベルは高く、「去年できたことができないのは当たり前です。(選手権で)正剛が思い切ってできたのは横に良い選手がいたから、まだ合格点は与えられない。まだ迷いながらやらないといけない」。選手権ではプロ内定選手や年代別日本代表候補のストライカー相手に強さを発揮したが、チームが目標とする先輩超えを果たすためには、志津のさらなる成長が必要だ。

 準決勝から決勝までの短い期間で志津はチームメートとの会話を増やし、共通意識を高めてプレーしていた。コンビを組んだ後輩CB田村翔大(1年)の競り合いの強さを引き出しながら、自身も奮闘。後半終了間際に失点した後も「誰も下向くことなくやっていけて、PK戦もみんな仲間を信じてやれた」。主将のMF濱瀬楽維(2年)とともにチームを牽引したDFリーダーは、これからよりコミュニケーションを取って自分の良さとチームの良さを発揮していく。

 今回の優勝はチームにとっても、志津にとっても一つ自信となる優勝。「インターハイとか選手権とか待っている中で、これから遠征とかでもっと強くなって、京都では負けないように、全国で優勝できるように頑張っていきたい」。偉大な先輩たちについて行って残した全国準優勝。今年はチームを引っ張り、落ち着かせて、先輩たちを超える。


(取材・文 吉田太郎)

TOP