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直訴して東山の新主将に。10番MF濱瀬楽維「技術じゃなくて、チームを勝たすキャプテンを目指す」

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PK戦1人目で成功。東山高MF濱瀬楽維主将(2年=MIOびわこ滋賀U-15出身)がチームを鼓舞する

[2.5 京都府高校新人大会決勝 東山高 1-1(PK5-3)京都共栄高 たけびしスタジアム]

「やっぱり重圧というか、あるんですけれども、チームが勝つことが、僕が目指していることであって、チームの犠牲になるということを先生も言っていて、そういうのをずっと頭に入れながらプレーしています」

 全国高校選手権準優勝校・東山高の新チームで10番、チームリーダーという重責。MF濱瀬楽維主将(2年=MIOびわこ滋賀U-15出身)は先輩たちとともにAチームで経験してきたことを次世代に伝え、東山を勝たせる意気込みだ。

 前任の10番MF阪田澪哉(3年)はC大阪へ加入。同主将のDF新谷陸斗(3年)は特別なキャプテンシーでチームの歴史を変えたリーダーだった。同じプレー、リーダーシップを発揮することはまだできない。だが、新主将はこの日、精力的な動きと声でチームを引っ張った。PK戦では1人目のキッカーとして成功し、大声でチームを鼓舞。そして、キャプテンマークをGK二川陽翔(2年)に託し、優勝の瞬間は真っ先に走り出して歓喜の中心になっていた。

 選手権で2試合に出場した濱瀬は、「去年、陸斗君を一番近くで見てきたし、僕が受け継いでいかないといけないという自覚があった」と新主将になることを福重良一監督に直訴。選手権全試合で先発出場したCB志津正剛(2年)を伴って指揮官に決意を伝えに行き、初戦後から、メンバーリストに「主将」と書き込まれるようになった。

 気持ちで勝たせる選手、主将になることが目標だ。「チームからも、周りからも頼られるキャプテンになっていきたいし、自分、技術無いんでですけれども、技術じゃなくて、チームを勝たすキャプテンを目指す」。この日、苦闘の中で頭によぎったのは、新谷の姿だったという。

「試合で劣勢になった時のあの冷静さとチームにどう声がけをするかというのを今日も頭によぎって。こういうことをしていたなというふうに、(今日は)棒読みになってしまったんですけれども。(今後も)真似してやっていきたい」。目標は1年後の選手権決勝で勝つこと。先輩のように周囲からの信頼を得て、大舞台で勝つチームに成長させる。

(取材・文 吉田太郎)

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