beacon

[MOM4234]高川学園FW山本吟侍(2年)_2発!U-17高校選抜合流のため、35分間限定出場でエースの仕事

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半18分、高川学園高のU-17日本高校選抜FW山本吟侍が右足PKを決めて先制点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.19 中国高校新人大会決勝 高川学園高 4-1 玉野光南高 Balcom広島]

 注目エースは感謝の思いを込めて戦い、2ゴールを叩き出した。高川学園高(山口)のFW山本吟侍(2年=高川学園中出身)はこの日、U-17日本高校選抜合流のため、中国高校新人大会決勝会場の広島市から福島県のJヴィレッジ(J-VILLAGE)へ大移動。前半を終えると、ロッカールームへは戻らず、そのまま用意された車で広島空港へ向かうという慌ただしさだった。

 35分限定の出場時間。「試合前から35分しか出ないと言われてたので、その短い時間の中で試合を決定づけることが自分に課された課題だったので、それを達成することを意識しました」。厳しいマークもあり、序盤はボールに絡むシーンが少なかったものの、今年の中国地方を代表するタレントがゴールをこじ開ける。

 前半18分、山本は左タッチライン際で巧みに身体を当ててボールを奪うと、入れ替わる形でそのまま中へ。そして、タイミングよくパスを通すと、MF佐藤大斗(2年)がPKを獲得。「『任せた』と言ってくれたので決めるだけでした」と右足PKをゴールに突き刺した。
 
 前半22分の2点目のシーンでも競り合い、DFを引き付ける動きで絡んだ山本は交代4分前の31分にもゴールを奪う。「『GKに競れ』と江本(孝)先生から何度も言われているので。競りあったこぼれを味方が良いところにクロスを上げてくれたので、合わせるだけでした」。ゴール前のハイボールでGKと競ってチャンスを創出。最後はMF松木汰駈斗(1年)のクロスを落ち着いて頭で決めた。

 江本監督は2得点を挙げた山本について、「チームが、というものがあって、自分があると自覚していたから、きょうのピッチに表れていた部分があると思います」と評価。山本も「やっぱりチームがあっての個人の活動」と仲間のパスやスタッフの指導があって自分が活躍できていることを自覚している。

 プロ入り、U-17日本代表入りを狙う山本には、もちろんU-17日本高校選抜でアピールしたいという思いもあった。だが、チームを優先し、今回のU-17日本高校選抜の活動では第5回 J-VILLAGE CUP U-18の3日目と最終日だけ参加すること選択。「高川学園の4連覇がかかった大会だったので、自分たちの代でそこを落とすわけに行かなかったので勝つことしか考えて無かったです」というストライカーはチームを勝たせた。

 江本監督は「自分が、自分が、というところがちょっとあったけれど、広い心を持てるようになったことが今日点を取れた部分になったんじゃないか」と語っていた。仲間に感謝し、チームのためにプレー。でも、最後は自分が仕留めるという姿勢を持ち続けてきた。

 課題もまだあるが、人間としても、プレーヤーとしても成長していることは確か。日常から目標に近づくことを目指してきた。「(U-17日本)代表のところはずっと意識していて、守備だったり攻撃の部分で少しずつ強度が上がってきている気がするので、いつ呼ばれても活躍できるように準備はしています」。U-17日本高校選抜で求めるのは結果。中国大会決勝の試合中に送り出してくれたチームのためにも、次は福島で大暴れする。
 
(取材・文 吉田太郎、取材協力 高川学園高)

TOP