[3.19 中国高校新人大会決勝 高川学園高 4-1 玉野光南高 Balcom広島]

「チャンスが回ってきた。ここでやらないとインターハイや選手権で出れない。この大会で初めてスタメンで出て、江本(孝)先生からチャンスを得て、どれだけチームのために頑張れるか試されていたと思うので頑張れたと思います」。

　高川学園高は初先発のMF伊木樹海(2年=高川学園中出身)がピッチ上で思いをぶつけ、4-1の勝利に大きく貢献した。小柄なボランチは「相手が蹴ってきてセカンドボールを回収するところ、あと対人では負けるなと言われていたので意識していました」。相手の前に身体を潜り込ませてセカンドボールを回収し、またストレート系など蹴り分けるキックも武器に中盤で存在感のある動きを見せた。

　県新人戦は怪我で欠場。同じ高川学園中出身で競い合ってきたMF田邉大希(2年)がボランチのポジションで起用されてきた。前日の中国大会準決勝では先発のチャンスを得た前線の選手たちが思うようなパフォーマンスを表現できずに苦戦。交代出場した伊木は気持ちをぶつけて戦うなどアピールし、決勝で先発に名を連ねた。

　トップチームのウィンターリーグ(蹴道)では先発も経験していたが、今回、公式戦初先発。この1試合に懸けていたボランチはチームのために全力で走り、戦った。CB藤井蒼斗主将(2年)やCB安井拓海(2年)らとともに特に守備面で貢献度大の働き。江本監督も認める動きで70分間を終えた。

　この日は人一倍のハードワークでチームを牽引。今後は、日常からもっと選手同士で要求し合えるチームにする考えだ。個人としては「ずっと出れる選手に。あとチームから頼られる選手になりたい」と意気込んだ。チームに活力を加えたMFがライバルたちと切磋琢磨しながら成長し、中国高校新人大会“4連覇”の高川学園をより強くする。
　
(取材・文　吉田太郎)