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[船橋招待]市立船橋が雨中で静岡学園に勝ち切る。MF白土典汰は強みのボール奪取、前への動きを「こだわってチームで一番に」

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市立船橋高MF白土典汰は身体を張った守備で勝利に貢献

[3.25 船橋招待U-18大会 市立船橋高 1-0 静岡学園高 グラスポ]

 第28回船橋招待U-18サッカー大会2日目の25日、ともにプレミアリーグに所属する市立船橋高(千葉)と静岡学園高(静岡)が激突。市立船橋が1-0で勝った。

 25分ハーフ、雨でピッチに水たまりができるようなコンディションで開催された注目カード。対象的なスタイルで50分間を戦い、市立船橋が勝ち切った。

 市立船橋は中心選手のMF太田隼剛主将(新3年)がJクラブへの練習参加、注目左SB内川遼(新3年)が怪我でそれぞれ不在。静岡学園もU-18代表候補FW神田奏真(新3年)、攻守の要・MF福地瑠伊(新3年)、リーグ戦で10番を背負うMF高田優(新3年)を静岡県選抜の韓国遠征で欠いていた。

 静岡学園は水たまりでショートパスが止まるような状況でもボールを保持しながら前進しようとする。期待のCB矢澤怜士(新2年)が相手を見ながら絶妙な配球。また、プレッシングを切り返しで簡単に剥がしていたほか、積極的にサイドチェンジを狙うなど存在感のある動きを見せていた。

 静岡学園は各選手が小さく浮かせたパスも活用。前半は左のMF志賀小政(新3年)へボールを集め、打開にチャレンジしていた。だが、市立船橋は波多秀吾監督が「当たり前のように身体を張るとか、サボるということは許されない、そういうチームになってきていると思います」と説明するようにハードワークする意識が高く、人数をかけてボールを奪い取る。

 そして、縦への速い攻撃から注目エースFW郡司璃来(新3年、22年U-17代表)が随所で個の力を発揮していた。また、台頭中のMF久保原心優(新2年)もダイナミックな動きでゴール前へ。その市立船橋がセットプレーから先制する。前半15分、左サイドから郡司が蹴り込んだFKをファーサイドのCB宮川瑛光(新3年)が頭で折り返し、最後はFW岡部タリクカナイ颯斗(新2年)がシュート。至近距離からの一撃に静岡学園のU-18代表候補GK中村圭佑主将(新3年)が反応したが、先制点となった。

 後半、市立船橋はMF白土典汰(新3年)やMF金子竜也(新2年)が抜群の運動量で相手にプレッシャーを掛け続ける。波多監督は「自分の強みはしっかり発揮しなさいという話をしているので、きょうはそれが出たかなと思います」。特に中盤の要の一人である白土は存在感のある動きを見せていた。

「自分の守備とか自分の特長を活かすということを意識して挑んで、ボールを奪えたりに繋がったので良かったです。ちょっと思い切ってやれたかなと思います」と白土。最近は強みであるボール奪取の数を増やせず、チームに貢献できていなかったという。自分自身の中でやや緩みがあったかもしれない。先発を外れる試合もあったが、この試合は今後に繋がるような好パフォーマンスだった。

 市立船橋は郡司の決定的なシュートなどで追加点を目指したが、後半半ば以降は静岡学園がボールを保持する時間を増加。MF田嶋旦陽(新3年)が2度3度と鋭いドリブルでDF網を破ってチャンスを作り出した。だが、全体的にラストの精度を欠くなど無得点。FWからCBへ転向して成長中の宮川とCB五来凌空(新3年)中心に1点を守った市立船橋が1-0で勝利した。

 今年、ポゼッションに重きを置いている市立船橋だが、悪コンディションの中で勝負に徹した戦い。波多監督は「シーズン一週間前の勝負にこだわるというところは発揮できたと思います」と頷く。昨年、一昨年のプレミアリーグでは序盤戦から黒星が先行し、苦しいシーズンを送っている。経験者の多い今年は開幕戦から勝ち点を重ねることが目標だ。

 白土は、「自分が一番チームで走らなければいけないですし、攻撃の部分で貢献できない分、守備の部分で誰よりも奪って前に出ていくという部分ではこだわってチームで一番になれるようにしていきたいです。目立つ特長はないけれど、絶対にコイツがいなければダメだなという選手になりたいです」。球際、切り替え、運動量が市立船橋の三原則。その部分も誰よりも表現し、チームの勝利に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)

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