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手が届きかけていた41年ぶりの関東タイトル。準優勝の八千代MF西村元汰はインハイで「絶対に千葉県で優勝」

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八千代高MF西村元汰(3年=Wings出身)は4点目のチャンスを活かせなかったことを悔しがった

[5.29 関東高校大会Aグループ決勝 八千代高 3-5(延長)修徳高 AGFフィールド]

 後半アディショナルタイムに突入した時点でのスコアは3-1。82年以来3度目となる関東大会優勝に手が届きかけていた。だが、40+1分に失点すると、相手の勢いを止めることができず、その3分後にも失点。延長戦で再び修徳高(東京)を突き放すことはできず、逆に2点を奪われて涙をのんだ。

 千葉の伝統校・八千代高は2位で関東高校大会Aグループを終了。準決勝で2得点、この日も1得点のMF西村元汰(3年=Wings出身)は、「前半良い形で3点入ったんですけれども、後半に点獲れないというのが大きかった。自分が一個切り返して決定機があったんですけれども、それを決め切れなかったのがデカいかなと思います」と悔しがる。

 序盤からテンポよくボールを動かし、前線へ鋭いパスが通っていた八千代は前半5分にMF土屋響輝(3年)が先制点。さらに9分には左サイドから仕掛けた西村がPKを獲得する。この日も高精度の右足や運ぶ力など攻撃能力の高さを発揮していた右SB吾妻蒼太主将(3年)がキッカー。その右足PKは相手GKのスーパーセーブに止められたものの、すぐに西村、MF松尾天斗(3年)が連続ゴールを決め、前半15分までに3-0とリードした。

 八千代らしいテンポの速いパスワークで相手を押し込み、吾妻や西村、FW田中拓光(3年)は関東大会決勝でも活躍できる力を披露。だが、試合の進め方が課題となった。前半のうちに1点を返されると、後半に幾度かあったチャンスで決めきることができない。膠着した展開となった終盤、相手に飲み込まれる形となって追いつかれた。

 岡本一洋監督は「きちっと点取っていかないとこういうことが起きる。良い経験になりましたね」と語り、相手の粘り強い守備を超えられなかったこと、後半にボールをあまり動かせなかったことを認めていた。

 西村は「(準優勝した)裏選手権もそうなんですけれども、『決勝で勝たないと意味がない』と岡本先生も言っていたので、『そうだな』と思うのと自分が試合を決めれるようにならないといけない。もっとこだわりたいと思います」と成長を誓う。

「毎試合1点ずつ決めて勝利に貢献できるようにしていきたい。シュートまでは行けているのであとは決めるだけだと思うので」と西村。今大会、そのドリブルで対戦相手を苦しめたMFはラストの部分の質をより高めて、コンスタントに取れる選手、固め取りもできるような選手になる。

 貴重な3試合の経験をインターハイ予選で活かす。岡本監督は「普段できないチームとやらせてもらったので、自信になった部分と課題も出たので、(ボールを動かすことなどに)課題意識を持って練習してインターハイ予選に臨みたい」と語り、西村は「インターハイは来週から始まるので、絶対に勝って全国に行きたいと思っています。絶対に千葉県で優勝して全国で活躍して有名になれるように頑張りたいと思っています」と力を込めた。


(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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