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日大藤沢の強力DF尾野優日が宣戦布告。「同世代の左SBには負けたくない」

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日大藤沢高左SB尾野優日(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)が突破力を発揮して前へ

[5.29 関東高校大会Bグループ決勝 実践学園高 1-0 日大藤沢高 AGFフィールド]

「この年代で左SBは良い選手が多いので、(全国的には)自分のことを全然知ってもらえていないと思っていて、自分は代表にもまだ入れていないですし、高校選抜も選ばれなかったので悔しいですけれども、同世代の左サイドバック(SB)には負けたくないと思っています」

 日大藤沢高(神奈川)の左SB尾野優日(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)がライバルたちに宣戦布告だ。尾野は2年連続で関東高校大会優秀選手に選出されている強力左SB。178cmの長身とスピードに加え、「中学校・高校とドリブルの練習ばかりしていてSBですけれども、足元の技術には凄く自信がある」という左SBはこの日も前半からチームの突破口になっていた。

 前半15分、相手DFの前に強引に潜り込み、前へ出て決定的な左足クロス。20分にはショートコーナーからボールを受けると、縦に運んでから再び左足クロスを味方に通した。尾野はビルドアップも得意とし、時にインサイドで崩しに係ることも。そして、オープンにボールが出ると、スプリント力を活かして追いつき、クロスを上げ切っていた。

「自分は右から左にボールが変わってくるところを意識して、自分のドリブルとオフェンスセンスと左足クロスという部分を出せた方かなと思ったんですけれども、自分に2枚3枚マークが来るのは知っていることなので、それをドリブルで剥がせる選手にもっとならないければいけないと思いました」

 昨年に比べ、神奈川県県内外でマークが厳しくなっていることを実感。ただし、課題を持って取り組んできたことの成果も感じている。「昨年は左足しか蹴れなくて縦切られて2枚で対策されているという感じだったんですけれども、今回は右足を1年で蹴れるようになって読まれない選手になったと思いますし、ドリブルのバリエーションとクロスまで行く回数が増えたと思います」と手応えを口にする。

 ゴールやチャンスにより係ることを含めて今大会で感じた課題や、「自分はまだ支えられている方かなと思っていて、リーダーシップはあまり得意ではないんですけれども、自分から引っ張っていくことも大事なのかなと思っています」という面も最終学年で改善を目指していく。

 今年の高校3年生には、U-17日本代表の左SB吉永夢希(神村学園高)や日本高校選抜候補の左SB田辺幸久(大津高)、U-17日本代表候補左SB内川遼(市立船橋高)、岡山内定の左SB藤井葉大(飯塚高)ら注目されている左SBが多い。

 実績面で劣る尾野は、吉永らに挑戦心を抱いている。「自分は攻撃的な選手なので(特に)オフェンスのセンスでは負けたくない」。高卒でのプロ入りを目指す尾野にとって、彼らを超えるような活躍や結果も必要。反骨心を持って成長を続け、目標を実現する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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