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19歳昌子が大前を徹底マーク、指揮官の指示は「同じ水を飲んでもいい」

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[11.3 ナビスコ杯決勝 清水1-2(延長)鹿島 国立]

 指揮官の抜擢に応えた。プロ2年目の19歳DF昌子源が左SBで先発。ナビスコ杯決勝という大舞台で本職のCBとは異なるポジションを任された。ジョルジーニョ監督からは重大な“ミッション”が与えられていた。「大前くんに仕事をやらせるなという役割で入ったので、全然SBっぽくはなかったけど、大前くんにマンツー気味に付いていたので、自分としてはやりやすかった」。清水の右ウイング、FW大前元紀を封じる。指揮官は試合後の記者会見で、その狙いを明かした。

 今季のリーグ戦は清水に2敗。その2試合を分析し、「大前選手がいい動き、いい判断によって攻撃の機動性を生かし、点も取る。彼を抑えることがキーポイントと捉えた」という結論に至った。鹿島の左SBと言えば、DF新井場徹がレギュラーを務めてきたが、「これまでは新井場選手がずっと対峙してきたが、彼は攻撃能力の高い選手。求めるものが違うと判断した」と、昌子の起用を決断した。

「1対1の強さ、アグレッシブさ、ビルドアップでも簡単にボールを失わない」。昌子のプレースタイルをそう語るジョルジーニョ監督は「大前選手に何もさせないのが仕事だと伝えた。他のことは考えなくていいと。(大前が)水を飲みに行ったら一緒に付いていけと伝えた。なんだったら同じ水を飲んでもいいと」と、徹底マークを指示した。

 新井場からも「思い切ってやれ。大前は攻め残りがあるから、しっかり上がるタイミングだけを考えろ」とアドバイスを受けたという昌子は後半38分に足をつって交代するまで指揮官の指示を忠実にこなした。「試合で初めて足をつった。今までつったことがなかったので、SBは違うなと」と不慣れなポジションで奮闘。MVPに輝いた20歳のMF柴崎岳の陰に隠れはしたが、同期入団のDFの働きがなければ、鹿島の連覇もなかったはずだ。

(取材・文 西山紘平)

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