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“VVVでの実例”本田以上の活躍を…W杯出場へ向け大津祐樹が決意を新たに

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 昨夏のロンドン五輪では日本4強進出の原動力となったFW大津祐樹。今年2月には日本代表にも初招集され、ラトビア戦で初キャップも記録した。一方クラブでは海外2年目を迎えた今季、満を持してオランダリーグのVVVに移籍したが、リーグ戦22試合出場1得点。期待が大きかっただけに物足りない数字となった。「W杯への思いは強い」と話す大津祐樹は、日本が5大会連続のW杯出場を決めた今、何を思うのか。ゲキサカに思いを語った。

―日本が5大会連続のW杯出場権を獲得しました。大津選手にとってW杯とはどんな大会ですか?
「W杯は小さいころからの夢。そういった意味ではかける思いも強いですね。日本代表への思いも同様です。今年2月に初めてA代表に入りましたが、現実味が増しました。代表クラスの選手と一緒にプレーすることで、代表というのはこういうものなんだなと感じることが出来たので、より思いも強くなりました」

―昨夏のロンドン五輪では日本のエースとして4強進出の原動力となりました。改めて振り返ってどのような大会でしたか?
「人生の中でも限られた時期しか出ることが出来ない大会なので、いい経験にはなりました。チームメイトにも恵まれたし、チームとしてもとてもまとまっていたと思います。コミュニケーションもしっかり取れていた。非常に仲がいいチームだった。良いチームだったと改めて思いますね」

―その活躍があったあとでのオランダリーグ・VVVへの移籍。期待も高まっていました。
「もっともっと試合に出ないといけなかったと思います。チームも2部に落ちてしまいましたし、いい経験にはなりましたが、数字は物足りません。もっともっとやらなければいけないなと思っています。来季に向けてどう修正できるかが大事だと思っています」

―やはり得点が少なかったことが気になりますか?
「そうですね。ゴールやアシストはすごく大切なので、こだわりはもちろん強く持っています」

―今季はベンチからスタートすることも多かった。
「スタートから出たいというのはもちろんあります。でも常に試合に出たときにどう活躍できるかということを考えて過ごしていました」

―来季もVVV?
「そうですね。断言は出来ませんが…」

―Jリーグでプレーする可能性は?
「今のところはなんとも言えないですね。考えていません」

―来年、VVVのコーチングスタッフには元日本代表の藤田俊哉さんが就任する予定です。
「藤田さんは子供のころから知っているスーパースター。一緒に仕事が出来るのはいいことだと思います。すでに何回か会って食事もしていますし、チームのことを伝えたりもしています。でもまだ細かい話は全然していません。楽しみです」

―もともと海外リーグでプレーしたいというこだわりはあったのですか?
「小さいころからの夢ではありました。特定のリーグにこだわりがあるわけではないですが、日本から出て海外でプレーしたいっていう考えは常にありました」

―同世代ではすでにビッグクラブで活躍する選手もいます。
「お互い刺激し合って、成長できればいいと思っています。そういう意味ではいいことだと思いますし、お互いを見合って、上に行ければいいと思います」

―最終的な選手としての理想形はありますか?
「今はないですね。完成形を考えるよりも、毎日毎日をどう過ごすかが大事だと考えています。そのスタンスはこれまでサッカーをやる上で崩さずやってきました。目標はありますけど、まずは一日一日を大切にしたいです。どういう選手になりたいかといった形ではなく、自分らしくいたい。今は自分という選手を成長させて、一回り大きくなることしか考えていません。そういう意味では順調に階段を上っていると思いますが、まだ今の位置には満足していないです」

本田圭佑(現CSKAモスクワ)選手は北京五輪出場後、2部落ちしたVVVで活躍して、南アフリカW杯出場を成し遂げました。重なる部分も多いかと思います。
「実際に例があるので、そのようになれるように、もしくはそれ以上になれるようにしたいですね」

―本田選手はよく海外での経験を代表に還元したいといった発言をします。大津選手は具体的にはどのようなことだと感じていますか?
「激しさであったり、強さであったり、精神的なところであったりといった部分だと思います。そこは日本にはないところだと思うし、自分にとっても外に出なければ分からなかった部分でした。逆に外から日本を見れたことも自分にとってはいい経験になっていると思います」

―大津選手と言えばドリブルが魅力の1つです。用具へのこだわりもあるかと思います。新しく『ナイキ ティエンポ レジェンド lV』を選んだ理由は何ですか?
「スパイク選びの際、重要視しているのはフィット感であったり、ボールタッチの時の感覚です。僕はドリブルが得意なので、足の裏が使えるスパイクを選んでいます」

―感覚というのはピタッとフィットするといった意味でしょうか。
「張りつくという感覚よりも本当に自分にピンとくる感覚です。毎回、フィーリングでこれだというのを履いています。今回選んだ『ナイキ ティエンポ レジェンド lV』は自分の感覚に合いましたね」

―オフシーズンはどう過ごされているのですか?
「まずはしっかり休養を取ります。一旦しっかりケアをして、ランニングから始めます。ボールを蹴ったりといったメニューも徐々に取り入れていって、コンディションを作っていくといったイメージです」

―大津選手のような選手になりたいといった中学生、高校生もたくさんいます。最後にアドバイスを。
「まずはひたすら練習すること。あとは自分がどう成長したいか、そういう選手になりたいかを少しでも考えることで、また自分に何が足りないかが見えてくると思う。意識を高く持つことが大事ですね」

(取材・文 児玉幸洋)

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