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[MOM215]鹿屋体育大GK井上亮太(4年)_PK戦を盛り上げた『“ある意味”ヒーロー』

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.22 大学選手権準々決勝 専修大 1-1(PK5-6) 鹿屋体育大 BMWス]

 運命のPK戦。専修大の4人目が直前で外したため、決めれば勝ちとなる5人目で登場したのは青のフィールドユニフォームではなく、オレンジのユニフォームを身にまとったGK井上亮太(4年=F東京U-18)だった。

 驚きはこれだけにとどまらなかった。井上はボールをセットすると、5m、10mと助走を取る。「自分がキーパーをやっていて助走を長く取られるのが一番嫌なんです。自分がやられて嫌なことをやっただけです」と理由を説明した。「ここまで来たらヒーローになってやろうと思っていた」。思い切り蹴ったシュートは、相手GK福島春樹(1年=静岡学園高)に見事に止められたが、「結果的には“ある意味”ヒーローですね」とおどけてみせる。

 もちろん本職での活躍も目立っていた。被シュート数は24本。「この大会は練習からも調子がいい」と本人も認めるとおり、高い集中力で試合に臨めている。また組み合わせを見た段階で1回戦を勝ち上がれば、王者専修大と試合が出来るというモチベーションがチームにあった。その専修大を破ったことでさらにモチベーションは上がるはずだ。

「気合」という言葉を繰り返す井上。PK戦でも専修大3人目のMF下田北斗(3年=大清水高)のシュートを止めた時は静まり返ったスタジアムに響く大きな雄叫びをあげた。結果的に蹴り直しとなり、PKストップは取り消されたが、チームを盛り立てるには十分なプレーだった。井上の見せる「気合」が、快進撃を見せるチームの一翼を担っているのは確かだ。

[写真]PKを蹴る井上。だがこれは見事に止められる

(取材・文 児玉幸洋)

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