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[MOM216]福岡大MF田中智大(4年)_不安拭い去る序盤の2発

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.22 大学選手権準々決勝 明治大2-4福岡大 川口]

 チームの不安を背番号7が拭い去った。福岡大はこの日、攻撃の柱、サガン鳥栖内定MF清武功暉が足首の負傷によってベンチスタート。初戦でサイドMFとして先発したMF田中智大(4年=福岡U-18)が清武に代わってトップ下の位置に入り、2得点を挙げて勝利をもたらした。

 まずは前半6分、右ロングスローをニアサイドの選手が後方へそらすと、タイミングよく中央に入り込み、右足ダイレクトで先制ゴール。さらに16分にはMF平田拳一朗の右FKを頭で合わせて2点目のゴールを奪った。田中の2発で試合の主導権を握った福大はセットプレーの好機、そして相手のミスを逃さずに加点して前半で4得点。相手にボールを支配されながらも、前半で試合を決めた。田中は「功暉がいればもっとゲームメークできると思うんですけど、自分たちは速攻で4点決められたので良かった」とホッとした様子だった。

 桃山学院大との1回戦では後半だけでシュート4本を放ったが、無得点。決定機を逸して苦戦の要因をつくってしまっていた。それでもこの日は汚名返上の2発。乾真寛監督は「1回戦は外しまくっていた。オマエ高校生か、というくらい力んでいて、シュート打つ前に身体のバランスを崩していた。ただ、『(ボールは)来ているから、リラックスして打て』と言ったら当たりに当たりましたね。(きょうは)いい集中力の状態だったんじゃないですか」。ミスの続いた初戦から3日間で建て直したアタッカーに目を細めていた。

 田中は「(1回戦は)力みすぎたところがあった。自分としては進路も決まっていない状況なので、ここで試合するだけでもいろいろな人が見ていると思うし、その思いもあって力んでしまったかなと思います。(きょうは)自分なりですけど、肩の力を抜いて深呼吸をしたりリラックスした。(今後も)自分が決めないといけないと思っているんですけど、決勝へ行って優勝するということがチームの目標。自分でなくても誰が決めても勝てればいい」。清武の先発復帰も予想される準決勝・阪南大戦。夏の総理大臣杯全日本大学トーナメントでは2-2でもつれ込んだPK戦で最後のキッカーとなったのが、田中だった。この日の2発でノッた田中が、雪辱戦で相手にとって危険な存在となる。

(取材・文 吉田太郎)
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