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[MOM249]専修大FW仲川輝人(3年)_得点&アシストランク首位!逸材が“主役”に

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.11 関東大学リーグ1部第11節 専修大4-1明治大 西が丘]

 相手選手も「速過ぎです」と舌を巻いたスピードと決定力。専修大の全日本大学選抜FW仲川輝人(3年=川崎F U-18)が2得点1アシストの活躍で快勝劇の主役となった。

 全日本大学選抜でチームメートだった明治大DF小川大貴(ジュビロ磐田内定)と前半から激しいマッチアップ。“要注意人物”の存在を消しに来る小川の激しい当たりによって吹っ飛ばされるシーンもあった。それでもすでにJ数クラブが獲得合戦を繰り広げている仲川は怯まない。SB北爪健吾のオーバーラップを促すなど、周囲を活かしつつ、自らもスピードに乗ったドリブルと接触してもバランスを崩さずにゴールへ向かう力強さを披露。そして重要な局面でゴールを連発した。

 まずは1-0の前半36分、MF北出雄星のシュートのこぼれ球にいち早く反応してゴールへ押し込むと、両手人差し指を空へ突き上げる“恒例の”ゴールパフォーマンス。そして後半28分には自陣右サイドの深い位置でボールを捌くと、すぐさまトップギアで前線へ駆け上がる。長い距離を一気に駆け抜けて北出のスルーパスを引き出すと、絶妙な折り返しでFW佐野弘樹のゴールをアシストした。

 そして直後の30分には、明大が見せた僅かな隙を逃さずにMF下田北斗のスルーパスで抜けだすと、GKとの1対1を制してこの日2点目のゴールを流し込んだ。ダブルエースを組むMF長澤和輝不在の2試合で計4ゴールの大爆発。得点ランキングでは2位の長澤に3点差をつけ、アシストランキングでも単独首位へ浮上した。ひとりで局面を打開してゴールをもぎ取る怖さも備えるが、常に厳しいマークにあっている高速アタッカーは時間帯によってはチャンスメーク役に回り、ここぞの場面を一発で仕留める巧さも光る。まだ卒業まで1年以上を残すが、試合によっては本当に手の付けられないようなプレーをしている。

 好調の要因のひとつはJクラブへの練習参加で学んだプロ意識と生活習慣だ。「食事の面だったり、休息する時間だったり、今は授業もないので自分のリズムでできている。(1年の頃とは)全然違いますね。朝練した後に昼は少し寝て(午後)3時ぐらいに起きて体幹だったり、軽くですけど筋トレをして、夜飯をしっかりと摂って11時前には寝ている」と仲川。サッカーで力を発揮するための生活をできる限りしていることによって抜群のキレへとつなげている。

 先輩であり、ライバルである存在、長澤がチーム内にいることも大きい。得点王争いでもアシスト王争いでも2位につける長澤はドリブル、パス、シュート全てで決定的な仕事ができる。「ライバルとして意識しています。チーム内での争いをしていくことでチームのレベルも自分のスキルも上がっていくのでいい刺激になっている。(長澤は)要所要所、絶対に取られちゃいけないところで取られないし、キープ力で2人を引きつけて剥がしたり、(長澤)和輝クンから学ばないといけないことがあるので、吸収してピッチで表現しなければいけない」。

 それでも得点王のタイトルは「そこだけは譲れない」と自分が獲得するつもり。現在11得点でシーズン20得点も十分射程圏内に入っている。そして3年生ながらリーダーとしての自覚も。運動量を発揮しなければならない場面で長い距離をスプリントをするなど結果だけでなく、その姿勢でもチームを引っ張っている。「自分がやんなきゃいけないということはピッチ内外で問われている。自分がユニバとかで経験したことをチームに還元することが自分に託された使命だし、優勝争いはこれからもっと激しくなってくる。その中でチームの底上げももっとしなげればいけない。(下田)北斗クンだったり、和輝クンが声出して鼓舞してくれる。自分はずっと試合に出ているので、(3年生の)自分たちがもっと盛り上げないといけないと意識している」。今夏は全日本大学選抜の一員としてユニバーシアード銅メダル獲得に貢献したが、チームでは総理大臣杯タイトルや天皇杯でのJ撃破を果たすことはできなかった。それだけに関東リーグ3連覇と全日本大学選手権優勝は絶対の目標。スケールアップしている逸材が“主役”として専大にタイトルをもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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