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[MOM822]市立船橋GK志村滉(2年)_好守連発!流経大柏の前に立ちはだかった2年生守護神

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
平成25年度全国高校総体
「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技

[8.7 全国高校総体決勝 市立船橋4-2流通経済大柏 レベスタ]

 優勝した市立船橋の朝岡隆蔵監督は流通経済大柏との決勝へ向けて「あれだけ力のあるチームなのでGKが止めてくれなければ困る。『絶対に決定機2本は止めろ』と言っていた」と2年生守護神にハッパをかけていたという。U-18日本代表候補GK志村滉(2年)はその期待に応えるビッグセーブを連発。「3本くらい止められたと思います」と“ノルマ”達成に笑顔だった。

「見せ場」は後半に訪れた。市立船橋は後半11分にFW石田雅俊のゴールで3-2。この日3度目となるリードを奪った。だが、今大会5試合で20得点と抜群の攻撃力を誇る流通経済大柏は、決定機をつくり出してきた。後半27分にはFW森永卓とのワンツーからFW星野秀平がGKと1対1になり、強烈な右足シュートを放つ。だが市立船橋は志村がゴール右隅を捉えた一撃を左手ワンハンドでビッグセーブ。2年生守護神の好守に救われたチームは直後に石田のゴールで4点目を奪った。

 4-2となった後も流経大柏の猛反撃は続いた。35分には交代出場のMF上田将寛が抜け出して再びGKと1対1となる。難しい間合いだったが「1本止められて、自分の中で流れが変わったというかスイッチが入った部分があった」という志村は相手がトラップする瞬間に距離を詰めると、再び1対1からのシュートを止めて相手の追撃のチャンスを阻止。流経大柏は39分にもゴール前でDFを振り切ったFWジャーメイン良がゴールエリアへ飛び込んで右足を振りぬいたが、ここでも志村が立ちはだかり、2点リードを守りきった。

 この日、市立船橋は守備の柱であるDF磐瀬剛主将とMF藤井拓が累積警告のために出場停止。「自分がチームを救いたい」と気合十分だった志村だが、その思いが空回りしてしまい、前半2失点してしまう。ただ、「コーチに『気持ちが入りすぎだ』と言われて、『もっと自分のことばかりではなくて、周りに気を使ってやれ』と言われて、自分の中で落ち着いてやることができた」という志村は後半、気持ちの部分で冷静さを取り戻していた。そしてここぞの場面で見せたビッグセーブでチームを勝利へと導いた。

 3月に1~2学年上の世代に当たるU-18日本代表候補合宿へ招集された際は「要所、要所での声掛けとか、一番大事なところで声が出ていない。キックの飛距離とか筋力面も足りない」という指摘を受けて、その改善に取り組んできた。名門の守護神として成長する志村は、足元の正確な技術や上の代に入っても簡単に溶けこむことのできるキャラの持ち主でもある。今大会ではその活躍が評価されて大会優秀選手にも選出されたが、決勝での強烈なインパクトでさらにその存在を全国へ印象づけた。

(取材・文 吉田太郎)
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